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新連載)がん化学療法看護認定看護師 かみうせまゆの ~がん治療に役立つエッセンス~
第1回「お薬手帳を活用しよう」

掲載日:2021年1月13日 9時30分

 皆さまこんにちは。がん化学療法看護認定看護師のかみうせまゆです。

 2020年11月、がんサバイバー・クラブの公式Twitterを利用して、「どのような情報を知りたいですか?」という趣旨のアンケートを行い、124名の読者の方にご協力いただきました。6割超の方が「がん治療に関する情報を知りたい」に投票され、次いで「医療従事者とのコミュニケーションのコツ」と、治療にまつわる情報を必要とされていることを感じる結果でした。

 そこで、今回より、「がん」治療前・中・後にまつわる、当たり前だけれど侮れない情報、本やネットでは見つけにくい情報も含め、がん治療に役立つエッセンスを2~3週間ごとに発信していきます。今後、読者の方に取り上げてほしいお題のアンケート募集も企画予定です。今年もよろしくお願いします。

 具合が悪くなるのは、どうしてこのタイミング?

 通院先の主治医が交替したり、複数の病院に通院したり、具合が悪くなるのが週末や夜間だったり……そのようなことはありませんか?
 がん経験者も、別な病気で通院している方も、よく経験することだと思います。
 具合が悪い日は、なぜか開業医がお休みの日、総合病院の主治医が不在の日、夜間、土日祝日など。

 次の予約まで日にちがある、予約外受診は申し訳ないという思いから相談できずにいる方も多いのではないでしょうか?

 特に「がん」治療中の方は、家族や医療従事者への遠慮、コロナによる受診控えにより、症状が悪化してから救急受診される方にも出会いました。

 治療中の方は、診察カードとお薬手帳を一緒に手元に置いて、受診するかどうか電話相談をすることをおススメします。


 お薬手帳を活用しましょう

 ふだん、自分を診てくれている医師がいれば、具合が悪いことだけを説明し、診察してもらえますが……

 どうしても具合が悪くて別の病院にかかる、普段通院している科とは別な症状で受診する、出先で具合が悪くなり近隣の医療機関を受診する等、かかりつけ医でない医師にかかる時、自分の病気や受けてきた治療を説明できると良いのですが、たいていの場合、「会話するのもつらい」と言う方が多いのではないでしょうか?

 そこで活躍するのが、「お薬手帳」です。
 従来の手帳サイズのお薬手帳だけでなく、最近は調剤薬局のお薬手帳アプリが活躍していますね。

 通院日以外、お薬手帳を「持ち歩かない派」の方はどれくらいいらっしゃるでしょう?

 臨時受診した場合でも、お薬手帳があればそれを手掛かりに、主治医やその他の病院から処方されているお薬の履歴を確認することができます。

 それにより、がん治療に関連する体調の場合、かかりつけ医(病院)と連携を図ることができます。

 他にも、似たような作用の薬剤を重複して処方することや、飲み合わせの悪い薬剤を処方することを避けることができます。

 がん治療を提供している総合病院では、抗がん剤の点滴内容もシールに印字して、お薬手帳に貼ってくれる施設も多くあります。吐き気止め、アレルギー止めを含む、抗がん剤点滴日の情報も重要な情報です。


 余っているお薬も把握できる

 皆さんは、余っているお薬はどうしていますか?
 複数の薬剤を内服すると、腎臓や肝臓に負担がかかりすぎて、身体の不調を引き起こすことがあります。

 診察の前に、お薬手帳(またはダイアリーなど)などに、処方されている抗がん剤や痛み止めなど、余っているお薬の数を数えてみて下さい。

 予定通り飲めなかったり、指示通り飲んでいるはずなのに気づいたら数日分余ったり……。
 申し出ることを躊躇される患者さんに多く出会いました。

 飲み方が複雑な抗がん剤が余っている場合、休薬期間を忘れて飲み続けてしまう方が稀にいらっしゃいます。そうすると、副作用が強く出たり、治療スケジュールが延期になることもあります。

 抗がん剤や吐き気止め、痛み止めなど、1つ5000円以上するものも増えています。高額なお薬はもちろん、他の薬も余っている場合、診察時に主治医に伝えてみましょう。

 医療費の削減にもつながるだけでなく、安全に医療を受けることができます。

 学生時代に、薬理学の授業で「くすりは逆から読むと『リスク』になる。適正に飲めないと、治すはずの薬で、時に重大な臓器障害を起こすことがあるんだ」と学びました。

 診察が終わり、帰ろうと思った時、聞き忘れてしまったことを思い出す経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 お薬のことで不安や疑問がある場合、病院や調剤薬局の薬剤師にもぜひ相談をしてみてください。

上鵜瀬 麻有(かみうせ まゆ)

 2002年に看護師免許を取得後、大学病院・がん診療連携拠点病院などで勤務。がん化学療法看護認定看護師。
 2020年6月より公益財団法人日本対がん協会に所属。
 2019年10月~2020年12月まで「忘れえぬ患者さんたち」を連載。
 新シリーズでは、がんサバイバーの方はもちろん、通院中の方にも役立つような情報をお届け予定です。

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