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がん化学療法看護認定看護師 かみうせ まゆ の ~がん治療に役立つエッセンス~
第2回「コロナ流行下の花粉症対策とがん治療」

掲載日:2021年2月3日 13時45分

 新連載第2回目の、「がん」治療前・中・後にまつわる、当たり前だけれど侮れない情報、今回のテーマは、これからの季節、あなたの周りに飛んでくる“あの”話題です。

 年明け頃から、眼・鼻・のどのかゆみ等、花粉症の症状を自覚される方は多数いらっしゃるのではないでしょうか?

 1月半ば以降、様々なメディアに取り上げられているほか、日本気象協会のサイトでは、花粉の飛散情報が更新されています。

 今年のスギ花粉に関しては、昨年の1.8倍の飛散量との情報もあります。

 コロナ流行下の“花粉症シーズン”も、安心してがん治療を送れるような情報をお届けします。


 抗がん剤の副作用のひとつ、「脱毛」は頭髪以外にも影響が出る

 抗がん剤の種類によっては、脱毛を経験される方もいらっしゃると思います。

 抗がん剤の主な副作用として、細胞の生まれ変わりの早い細胞がダメージを受けやすいことは有名です。

 その一つとして有名なのが、脱毛です。
 全ての抗がん剤で生じるものではありませんが、脱毛を起こしやすい抗がん剤の治療を受ける場合、治療開始からおおよそ2週間経過したころから、脱毛が始まります(個人差あり)。

 見出しのように、「脱毛=髪の毛が抜ける」と思っている方が意外に多くいらっしゃるかもしれません。

 今まで出会った、抗がん剤治療を受けた方と対話して気づいたことは、大半の方は、“脱毛≒髪の毛が抜ける”というイメージで、眉毛、まつげ、鼻毛と顔に見える毛の他、洋服で隠れる部分まで脱毛が及ぶことは予想外だったということです。


 脱毛と花粉症の関係

 まつ毛、鼻毛を例にとると、まつ毛は眼の中に異物が入るのを予防する働きがあります。
 鼻毛は、外からのウイルスやばい菌、ほこりや花粉等の異物が侵入するのを予防し、気道の湿度を保ってくれる(粘膜保護)働きがあります。

 脱毛が起きることで、眼や鼻にダイレクトに異物が入り込みやすくなります。

 去年までは花粉症ではなかった、この歳になったから、花粉症とは無縁と思っている方も、治療による脱毛を機に、特に花粉の飛散が多い季節は、眼のかゆみ、なみだ、鼻水、くしゃみに悩まされる方も少なくありません。

 脱毛の影響による症状か、花粉症による症状かは、お一人おひとりの体調により異なると思いますが、既往に花粉症がある方は、飛散のピークよりも早めに抗アレルギー剤を飲み始めると、幾らか楽に過ごすことができると思います。

 治療中の方は、おくすりの飲み合わせがあると思うので、主治医に相談されてみてはいかがでしょうか?

 かつて出会った、耳鼻科の開業医の先生がよく言っていたセリフを思い出します。
「花粉症を持っている方は、(花粉症の)シーズンが終わったら、次はバレンタインデーのあたりを目安に、受診をしてくすりをもらいに来ると、辛い症状が出る前にコントロールつきますよ」と。


 コロナと花粉症

 新型コロナウイルスワクチンの接種が、いよいよ日本でも現実的になってきました。
 当面の間、コロナ対策が続くことになりそうですね。

 花粉症の方はもちろん、脱毛による眼や鼻のかゆみによって、無意識に眼・鼻に手を触れること(コロナり患のリスク)や、くしゃみ(コロナウイルスを飛散するリスク)によって気づかぬうちに、コロナを媒介する可能性も少なくありません。

 花粉症で、既にかりつけ医がいる方は、早めの対策をお勧めします。複数の医療機関を受診するのが不安という方は、主治医に相談してみてはいかがでしょうか?

花粉症やぜんそく、病気による咳やくしゃみでも、最近は視線が痛い。画像の缶バッジ(caoli-designさん)はバッグにつけられる。

 既に、ドラッグストアやめがね専門店の店頭には、花粉症対策用のめがね(ゴーグル)も並んでいます。(過去に、まつ毛が抜けているあいだ、使用している患者さんに出会いました)。

 眼や鼻に触れた後は手洗いの追加を、くしゃみをした場合や大量の花粉が飛んでいる場所を通った後など、予備のマスクを準備するとよいでしょう。

 職場や公共の場で、多数の方が手に触れ、がん治療中の方の眼や鼻に触れるアイテム、例えばティッシュペーパー等に関しては、自分専用を準備すると、より安全でしょう。

 過度に恐れることなく、安心して日常を送れますように。

★次回は、2週間後に、がん治療と歯科受診の話題をお届け予定です。★


上鵜瀬 麻有(かみうせ まゆ)

 2002年に看護師免許を取得後、大学病院・がん診療連携拠点病院などで勤務。がん化学療法看護認定看護師。
 2020年6月より公益財団法人日本対がん協会に所属。
 2019年10月~2020年12月まで「忘れえぬ患者さんたち」を連載。
 こちらのシリーズでは、がん治療中の方はもちろん、経過観察中や他の病気で通院中の方にも役立つような情報をお届け予定です。

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