
1日どれくらいスマホを使っていますか?
2008年に大手通信会社がiPhoneを発売したのをきっかけに、2011年頃~従来の携帯電話から、スマートフォンに乗りかえる方が大幅に増え、現代では子供からシニア世代まで、多くの方がスマートフォンを持っています。 無料通話、SNS、写真、ゲーム、支払い機能など、次々とスマホアプリが増え、スマホは生活の一部になっており、手放せない方も多いことでしょう。 通勤列車に乗っていると、座っている乗客のほとんどがスマホを見ている場面をよく見かけます。 新聞や週刊誌を読んでいる人は、スマホの普及とともに、あまり見かけなくなりました。 話は変わりますが、数年前に流行り出した、キャラクターを集めるゲームアプリ、ニックネームで世界中の人とつながれる動画や写真などのアプリが流行り始めてからは、街のいたるところで、歩きスマホしている方に遭遇します。 筆者も病院勤務時代は、スマホをロッカーにしまっていたので、利用時間は起床後、僅かな通勤時間、帰宅後と1時間に満たなかったのですが…… 仕事でSNSを通じて情報発信をしたり、同僚や仲間とのミーティングにスマホアプリを利用したり…… 徐々にスマホに頼る時間が増え、無意識のうちに仕事以外でもスマホを利用する時間が、軽く1時間を超えていました。
スマホを使うようになってから自覚したこと
携帯電話すら手元になかった時代、生活や仕事に必要な電話番号や住所は、暗記されていた方も多いことでしょう。
スマホが必需品になっている現代、スマホを自宅に忘れてしまった日や、充電切れの際は、何とも言えない不安感を覚えます。
そして、最近実感するのが、人や物の名前をど忘れしてしまったり、周囲の環境音が気になって集中力が低下していたり、時に自分ってこんなに短気だったかなと思うことも。
スマホやタブレットの充電切れ、スマホを忘れると誰もが焦る。
時間や場所を選ばず調べ物ができる時代の”落とし穴”
がんと診断されると、「いや、私は『がん』ではない」「間違いではないか」といった感情が生まれることは、多くの方が経験されます。
これは、通常の心理的な反応です。
自分の病気はどのようなものなのか、どのような治療をするのか、似たような経験者がいないのだろうか等、現在は場所や時間に関係なくインターネットで調べることが可能になりました。
“○○がん”のみで検索すると、比較的安全で、根拠が明確な情報にたどり着けるように、整備されてきているのですが……
今まで出会ってきた方に伺うと、“○○がん”にプラスして、“体験談”“ブログ”“治る”等、複数ワードで検索している方が多くいらっしゃることがわかりました。
複数ワード(自分が知りたいキーワード)を入れると、ピンからキリまで、あらゆる情報がヒットし、中には思いもよらない民間療法や、高額な自由診療情報に巻き込まれそうになったという方もいらっしゃいました。
また、多くの方がSNSを利用されていますが、SNS上で病気や趣味でつながる人が増えるにつれ、時間や場所に関係なくイイねマークやコメントが気になるようになり、時に否定的なコメントが来ると、とても落ち込んでしまう体験をされる方が多数居られます。
また、気をつけたいのが、ウェブサイトやSNSの広告は、自分が検索した情報に関連したものが多く表示されているという点です。検索履歴を残さないようにする、SNSに関しても広告設定を変更すれば、ある程度対策できるものの、心身が弱っているところに付け込んで、ネット被害に遭われる方も少なからずいらっしゃるようです。(後編へ続く)
歩きスマホ、寝る前等疲れているとき、体調が悪い時のSNSは要注意。
後編では、帝京大学ちば総合医療センター第三内科(腎臓内科)教授・腎センター長であり、学生さん向けに生活習慣病などのボトムアップ型出張授業でご活躍中の、寺脇博之先生に“スマホ脳”について、お話を伺ったリポートをお届けしていきます。
後編はこちらです。
