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がん化学療法看護認定看護師 かみうせ まゆ の ~がん治療に役立つエッセンス~
第12回 柑橘類の美味しい季節~薬の飲み合わせにご注意を~

掲載日:2021年10月28日 9時30分

 季節が進み、店頭にはみかんをはじめとした柑橘類が並ぶ時期になりました。
 がんの治療中(またはその他の病気の治療)で、薬剤師よりグレープフルーツを普段食べることがあるか聞かれたことがある方は、意外と多いのではないでしょうか?
 今回は、がん治療中の柑橘類の飲食との関係について解説します。
(文=日本対がん協会・かみうせ まゆ)


グレープフルーツに関する質問、なぜあるのですか?

 抗がん剤、血圧降下剤、免疫抑制剤などには、グレープフルーツの皮や果肉に含まれる”フラノクマリン”という成分と一緒になると、相互作用で、肝臓や小腸に存在する、お薬の代謝に関わる酵素の働きを鈍くなることが報告されています。(グレープフルーツの場合、薬の効き目が強く出すぎてしまい、身体に悪影響を及ぼすことがあります)

 ”がん”の治療に限らず、すべての入院患者さんに提供される病院食は、処方されたお薬と相互作用を生じる可能性がある食品は提供されないよう、電子カルテで、随時情報共有を行っています。

 しかしながら、特別に持ち込み食を許可が出ている方の場合に限ってですが、
 差し入れやコンビニなどで食品を入手する際は、果肉入りゼリーやジュース類には十分注意が必要です。


薬は水や白湯でのんでいるから大丈夫ではないんですか? 

グレープフルーツを摂取してから2~3日間は、相互作用によって薬の作用を強める場合があり注意が必要。

 

「グレープフルーツは大好きだけど、薬は水か白湯で飲んでいるよ」
「時間をおいてからグレープフルーツを食べたり、ジュースを飲むのは大丈夫でしょ」
と話される方も実際にたくさんいらっしゃいます。

 でも、数時間ずらしただけでは、グレープフルーツとお薬の相互作用の問題は、解決しないのです。

 情報の出どころによって、若干の時間のずれはありますが、
 グレープフルーツを飲食したあとの相互作用の影響は、24時間程から、長いものだと2~4日程続くものがあるようです。
 
 そのため、対象のお薬を服用している間は、グレープフルーツの飲食には注意が必要ということになります。
 


グレープフルーツ以外の柑橘類は食べてもいいのでしょうか? 

 

 グレープフルーツと同じ柑橘類でも、ブンタン、ハッサクなど複数の柑橘類は、グレープフルーツ同様に気をつける必要があると言われています。

 一方で、温州みかん、オレンジ、レモンなどは影響を与えないといわれています。

 グレープフルーツが好きな方で、治療でどうしても控えなければならない場合、代替案として、お薬の影響を与えない柑橘類に変えてみるのも一案かもしれません。

 もしも迷った場合、遠慮なく担当の医療スタッフ(医師・薬剤師・栄養士・看護師)へご相談ください。


上鵜瀬 麻有(かみうせ まゆ)

 看護師免許を取得後、大学病院・がん診療連携拠点病院などで勤務。がん化学療法看護認定看護師。
 2019年10月~2020年12月まで「忘れえぬ患者さんたち」を連載。
 こちらのシリーズでは、がん治療中の方はもちろん、経過観察中や他の病気で通院中の方にも役立つような情報をお届け予定です。

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