垣添忠生 サバイバーストーリー

サバイバーストーリー

つらかった経験を人のために活かす人生がある
NPO法人マギーズ東京 共同代表 鈴木 美穂 さん

掲載日:2017年10月5日 17時00分

つらかった経験を人のために活かす人生がある

 24歳の女性が、昼下がりの病院の前で体育座りをして泣いていた。日本テレビの記者の鈴木美穂さん。右胸がステージ3の乳がんと診断されたのだった。2008年5月のことだ。
 文字通り、目の前が真っ暗になった。「30歳まで生きられない」と思った。
 鈴木さんは、右胸の全摘手術を受け、放射線、抗がん剤、ホルモン治療もした。マンションから飛び降りたくなるほど、精神的にもつらかった。
 闘病して半年後、同じ乳がんステージ3の女性と会った。がんがわかって9年ほど。元気はつらつでサロンを経営している。その姿を見て、先が開けた気がした。「つらかった経験を人のために活かす人生があるんだな」と思った瞬間だった。
 8カ月後に復職した鈴木さんは、若いがんサバイバーのストーリーを紹介する無料の雑誌を創刊した。その活動のさなかに、イギリスに、理想の場所があることを知った。
 「マギーズセンター」。造園家のマギー・J・ジェンクスさんが、乳がんが再発し余命数カ月と告げられたときに造ろうとした空間だ。
 がん患者、家族、友人、医療者らが、いつでも気軽に来られる居場所。相談も受けられれば、のんびりお茶を飲むこともできる。自分を取り戻せ、癒やされる空間。1995年、マギーさんは完成を見ずに亡くなったが、夫が遺志を受け継ぎ、96年にオープンした。
 日本にもマギーズを造りたい! ある出会いをきっかけに、鈴木さんの思いが一気に動き始めた――。続きは動画でご覧ください。

 
撮影協力:NPO法人マギーズ東京様 

【鈴木美穂】(すずき・みほ)=1983年、東京都生まれ。慶応大学法学部卒業後の2006年に日本テレビに入社。報道局の記者として、皇室、文部科学省、首相官邸、与野党、厚生労働省などの担当を歴任後、2017年からはキャスターも兼務。2008年、乳がんステージ3と診断。8カ月後に復職する一方、2009年には若年性がん患者団体「STAND UP!!」を立ち上げる。2015年、NPO法人「マギーズ東京」の共同代表理事に就任、2016年に東京都江東区豊洲にオープンさせた。

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