1年4カ月付き合っていると、がんとも仲良くなっちゃうんです。
「時をかける少女」など多くの作品で日本人を魅了し続けている映画作家の大林宣彦さん(80)には、デビュー作「HOUSE/ハウス」(1977年)以前に書き上げられていた幻の脚本があった。
「花筐」。原作の檀一雄さんに映画化をお願いしに行くと、肺がんの末期で、遺作の『火宅の人』を口述筆記していたという。その後、檀さんが亡くなったことなどもあり、映画は中止。40年の時を経て、2016年8月下旬、いよいよ佐賀県唐津市で映画「花筐/HANAGATAMI」の撮影が始まることになった。
しかし、撮影開始の前日、唐津の病院で告知を受ける。「肺がん、ステージ4、余命半年」。余命は2日後には3カ月に半減した。
ふつうなら落ち込んでもおかしくない。だが大林さんは、檀さんと同じ肺がんと聞いて、「うれしくて体中がふわあっと温かくなりました」という。それから1年半近く。映画は完成し、昨年12月に公開された。今は、原爆をテーマにした次回作に挑む。
大林さんはどのようにがんを受け止めて、共存しているのか。心境の変化はあったのか。続きは動画で覧ください。
なお、対談は週刊朝日2月9日号(1月30日発売)にも掲載されます。