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第42回 入院中に狙われるかも!?〜空き巣未遂に遭ったキグチの防犯対策〜木口マリの「がんのココロ」

掲載日:2020年5月15日 10時00分

 「空き巣に入られた!」
 そんな話を何人かの友人から聞いたことがあります。心配しつつも、珍しい出来事(=他人事)という感覚でしかなかったワタシ。

 ところがどっこい、私も「空き巣に入られかける」という事態に遭遇してしまいました。しかも、入院中の自宅に。

おちおち昼寝もできないな〜。(自粛中の写真整理で発見! 以前飼っていたフェレット)

 がんが見つかって以降、よくまあ、バラエティに富んだ経験をさせてくれるものだと、今は思うけれど、そのときは本当にうざったいというか、面倒くさいというか、「せめて今はやめてくれ」という心持ちでありました。

 今回は、しばらくトラウマにまでなった空き巣未遂騒動と、その経験からやってみたキグチの防犯対策のお話です。
  

帰宅して発見! 窓ガラスが割られている!?

 それは、4度目の手術を終えて自宅に帰ってきたときのこと。

 私にとって退院は、大好きな人たち(主治医や看護師さん)と一緒にいられる世界から現実世界へ戻っていくというもの。「ちょっぴり甘くてほろ苦い、ビターチョコの味」的な、まるで初恋の終わりのような切なさだったので、その余韻にひたりながらゆったりとした午後をすごそうと思っていたところでした。

 玄関を開ければ、家は入院に向かったときのまま。長時間動くことなくじっと留まっていた空気が、かすかに重い。床は一歩踏むたびに、ミシリ、と音を立てます。「人のいない空間だったのだなあ」と、帰ってきたことを実感しつつありました。

 ところが窓に近づくにつれて、何かがへんだということに気づきました。よくよく見るとガラスの様子がおかしい。カーテンも微かに揺れているような……。

「もしや、これは……」
 おそるおそるカーテンを開けてみると、そこにはくっきりと三角形の穴が。しかも窓の鍵が開いている……! 

「ひえー、やられたっ! 空き巣だ!」
 なんとまあ、人生で初めてコソドロの来訪を受けていたのです。
 穴からヒュ〜と吹き込む風が妙にむなしい。

 しかし特に物色された形跡はない様子。ふと気づくと、窓の下に付いているオマケのような補助錠が立ち上がったままでした。つまりは、侵入されていない!!

 犯行当時のコソドロの行動を想像すると、こんな感じ。

クレセント錠をさらにロック!

 かなり高い位置にあるベランダによじのぼり、窓にきれいな三角形の切り込みを入れ、ツンとガラスを押し入れる。にゅ〜っと指先だけを差し込んで、カタンと錠を下ろす。

「しめしめ」とばかりに窓を引いてみたらオマケ錠のために開かない。これ以上時間をかけたら見つかってしまうかもしれない。
 諦めたコソドロは、「チェッ」と舌打ちのひとつでもして、ポケットに両手をつっこみ、肩をすくめながら足早に去っていった……。

 すねた泥棒の顔が目に浮かぶようです。
 してやったり、オマケ錠。

盗られずとも面倒は続く

 侵入を防げたのはよかったものの、それからが大変面倒くさい。
 110番でやってきたのは、警察官と刑事と鑑識の3名。彼らが作業を終えるまで、何も触れられず、動かせず。狭い家にこんなに人がいるというだけで、何だかぎゅうぎゅう。せっかく家に帰ってきたというのに全然気が休まらない。

 鑑識さんが粉やら紫外線ライトやらを駆使して捜査している間、刑事さんはいろいろな質問をしてきました。発見の状況から、入院の理由にいたるまで。

 さらに警察三人衆が帰ったあとも、すぐに休むわけにはいきません。テープで穴をふさいだり、住宅の管理会社に連絡をしたり、ガラス交換の手配をしたり、保険会社に電話をしたり。

 術後で、脱毛中で、いろいろヨレヨレなのに、めんどくさい、面倒くさすぎる!!
「本来、やらなくていいようなことをやらされる」という思いで、面倒くささに拍車がかかる。

 私の「初恋の終わり」(的な)時間を台無しにされてしまったうえ、リラックスもできない。何も盗まれていなくても相当に腹立たしい気分でした。

ズボラな私の防犯対策

追加の補助錠も、何気に頼り甲斐があります。

 それからというもの、防犯強化計画を練ることに。と言っても大掛かりなことではなく、「安価」「家に傷をつけない」「面倒くさくない」という条件です。

平成30年中の住宅対象侵入窃盗の発生状況」(警視庁HP)によると、空き巣の侵入口人気ランキングの第1位は「窓」。つまりは私の家にやってきたコソドロも非常に平凡な犯行だったのでした。

 ついでに、補助錠にひっかかって退散したところも「コソドロは作業時間が長くかかることを嫌う」という通説に当てはまり、まんまと常人の枠に収まっているのであります。

自分に合うものを探そう!

 とにかくまずは、窓の防犯強化をすべきだろうと調べたところ、いろいろなグッズを見つけました。
 主流は、「開閉やガラスが割れる振動で鳴るアラーム」「防犯フィルム」「センサーライト」「防犯カメラ」「クレセント錠(いわゆる窓の真ん中にある鍵)のロック」「補助錠」など。

 さまざまなシチュエーションを思い描いて、自分に合うのはどれかを考えました。
 結局選んだのは、「クレセント錠ロック」と、追加の「補助錠」。クレセント錠ロックは、クレセント錠を丸ごと金属のカバーで覆ってしまうというもの。しかも私が選んだのは、カバー自体にも鍵をかけられるというツワモノ。いずれも片手で操作可能なため、ズボラな私にちょうどいい。

 そんなわけで、窓には、もともと付いていたクレセント錠と補助錠を含め、4つの防御+カバーの鍵が付いていることになります。これでも挑戦する輩がいたら、余程のまぬけと言えるでしょう。

 ちなみに、侵入口ランキングの2位は「出入口」。鍵をかけ忘れた玄関などから侵入されることが多いようです。

 

 たとえ未遂でも、窓を隔てたすぐそこまで人が侵入していたかと思うと非常に気持ちが悪いものがあります。しばらくの間、ベランダ付近の異音や玄関の物陰を怖く感じたり、お風呂上がりなどの無防備な状態のときは、「部屋にだれかが入っているのでは」と、構えてしまったほどでした。

 特に、治療中で思うように体を動かせないときには不安も大きく、ストレスは倍増。最近は自粛生活で家にいる時間が長くなっているものの、場合によっては「突然の入院」なんて事態もあるかもしれません。

 防犯は、そんなにお金や手間をかけなくてもできるもの。まずはしっかりと戸締りをして、できれば追加でいくつかやっておくことをオススメします。

木口マリ

「がんフォト*がんストーリー」代表
執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。2013年に子宮頸がんが発覚。一時は人工肛門に。現在は、医療系を中心とした取材のほか、ウェブ写真展「がんフォト*がんストーリー」を運営。ブログ「ハッピーな療養生活のススメ」を公開中。

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