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外見ケアは性別不問!
~がん相談ホットラインの現場から~

掲載日:2021年8月11日 9時50分

「どうしてマスクを」と聞かれなくなった

 夏を迎え、多くの方は早くマスクから解放されたいと願っていることでしょう。しかし、がんの患者さんの中には、このマスク生活で助かっているという方が思いのほかいて、マスク生活から患者さんの外見に関する悩みが見えてきました。

 化学療法中の患者さんは副作用で感染しやすい状態になることがあるため、コロナの前から、マスクを着用する方が多くいます。これまでは、「どうしてマスクをしているの?」と聞かれて周囲の目が気になったといいます。でも、今は、いちいち聞かれることがなくなったそうです。

 それだけではありません。治療に伴って変化した外見を隠したいという思いから着用している方もいます。

 化学療法中の女性もその一人でした。
 元々メイクが苦手で、自己流で長年メイクしていたこともあり、副作用で眉毛が抜けたり、肌の色が変化したりした時に、どうすればいいか全く分からなかったと振り返ります。とりあえず、隠せる部分は隠してしまえ!という気持ちでマスクを着用してきたものの、周りの目は気になる……。今は、周りに埋もれることができるようになったそうです。

「男だから」ではなく「男だって」

 女性に限ったことではありません。男性も外見の変化で悩んでいます。

「男だから……外見を気にするものなんだかね……でも……」と、ホットラインへの電話でためらいがちに話し始めた相談者。
 抗がん剤の治療を受け、その影響で肌が黒ずんでいて、周囲からは「大丈夫? 具合い悪いの?」と聞かれ、体調は問題ないのに、会社で仕事をセーブされてしまったといいます。外見のせいで人事評価にも影響が出ることや、このまま肩たたきにあわないかも心配していました。

 別の男性の相談者は、名刺交換の時に、肌荒れした手をまじまじと見られることがとても嫌で、営業成績が悪くなるのではないか、このまま今の部署で仕事を続けられるか、不安を抱えていました。
 今はオンラインでのやりとりが増え、直接手を見られることはないものの、顔はマスクで覆ってごまかしているということでした。

 男性の場合、悩んではいけないような感覚を持っていたり、積極的に誰かに相談したりしないかもしれません。

 でも、外見の変化が人や社会とのつながりを遠ざけるきかっけになるとしたら、これは見過ごせないことです。

 今はがん治療に伴う外見の変化に対する「アピアランスケア」が少しずつ普及してきています。

 例えば、肌の色が変化した時は、ファンデーションやBBクリームを使ってカバーしたり、ほお紅や少し色がついたリップクリームをつけたりするだけでも顔の明るさが変わります。眉毛が抜けた時には、アイブロー(眉墨)を使って、抜け方に応じた描き方をすることで顔の印象もだいぶ変わります。

 アピアランスケアには、性別や年齢は関係ありません。単なる外見のケアにとどまらず、心のつらさがやわらいだり、一歩を踏み出す力が湧いてきたりすることもあります。その方が自分らしくいられて、人や社会とのつながりを持ち続けられるようにサポートするケアなのです。

 もし、悩んでいる方がいたら、一人で悩まず、ほんの少し勇気を出して、病院の相談窓口で話してみましょう。

※肌の状態によってはメイクを控えた方がいい場合や、ケアの方法が異なる場合があります。事前に担当医や看護師に相談してください。

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