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7月5日 各方面に広がるがんをめぐる課題

掲載日:2018年7月6日 15時13分

垣添忠生の全国縦断がんサバイバー支援ウォーク 一言ブログ 7月5日





 今朝は、テルモの社員の方が3人、宿泊した椿館まで迎えに来てくださいました。そのうちのおふたりと、ウォーク開始です。途中で、リレー・フォー・ライフ・ジャパン八戸の西村さん(6月30日、7月1日にもお目にかかった方)も合流しました。
 向かい風が強く、やっと風が弱まったかと思ったら、雨が30分ぐらい激しく降って、けっこう濡れました。それでも、道中でコーヒーを飲んだりソフトクリームを食べたり、ラーメン屋さんに寄ったりしながら、時間通りに青森県立中央病院に到着しました。病院からは、管理者の吉田茂昭先生(国立がんセンター名誉院長)、藤野安弘院長、副院長で緩和ケアも担当されている的場元弘先生たちにお出迎えいただきました。ほかに、日本対がん協会青森県支部(公益社団法人「青森県総合健診センター」)の石岡博文・専務理事、リレー・フォー・ライフ・ジャパン青森のみなさんが見えています。地元紙の陸奥新報(弘前市)の記者さんも取材に来られました。
 交流会では、リレー・フォー・ライフの方たちを中心に意見交換をしました。メラノーマ(悪性黒色腫)のサバイバーという50代ぐらいの男性は、患者会がないことを訴えていました。私はいつも通り、「あなたが作ってください。1人からスタートしてください」という趣旨のことを申し上げました。
 子宮頸がんのサバイバーという30代か40代ぐらいの視覚障害者の女性は、「私は早く見つかったからよかったのですが、子宮頸がんの検診を受けやすい状況をつくってほしい」とおっしゃいました。
 子宮頸がんについては、検診と同時にワクチンの問題もあります。子宮頸がんの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスです。予防ワクチンもあります。しかし、先進国で日本だけが、ワクチンの接種が進んでいません。
 副作用が問題になっていて、厚生労働省が、2013年6月から予防ワクチン接種を積極的に勧奨していないからです。日本の接種率はわずか1%未満です。
「子宮頸がんで毎年3千人が亡くなり、1万人が子宮を摘出されています。このまま行けば、子宮頸がんになる人が確実に増えます。副作用の救済とは別に、一刻も早く、ワクチン接種を推進しなければなりません」
 もし将来、子宮頸がんの患者会から、「自分たちが子宮頸がんになったのは国がちゃんとワクチン接種を勧奨しなかったからだ」と提訴されたら、国はどうするのでしょうか?
 子宮頸がんは、比較的若い人がなります。そのことはつまり、小さいお子さんを残してお母さんが旅立つ可能性も高い、ということです。
 赤血球、白血球、血小板が減少するMDS(骨髄異形成症候群)は白血病になる可能性もある病気です。骨髄移植も検討しているというMDSの方には「MDSの原理がわかり、新しい薬が出てくる可能性があります」とエールを送らせていただきました。
 リレー・フォー・ライフのメンバーであり、青森県立中央病院のがん相談支援センターの職員でもあるという女性からは、遺伝性のがんを子どもに伝える難しさの話が出ました。簡単に答えは出ませんが、以前にも一言ブログで触れたように、私にとっても重要なテーマです。
 彼女は、就労の話も口にされました。吉田先生が引き取って、「青森県では経済状況が悪いときには一般の人でも就労が難しくてサバイバーの就労まで議論が行かなかったが、最近は雇用状況が上向いてきて議論できるようになった」などとお話しされました。
 高齢のがん患者が介護施設に受け入れてもらいにくい、という状況も発生しているようです。就労と根っこは通じています。
 がんをめぐる課題は、各方面に広がっています。そのことを再認識できました。交流会に参加された方は30人ほどと決して多くはありませんが、意義深い時間を過ごせました。



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