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7月23日 大切なこと

掲載日:2018年7月26日 9時39分

垣添忠生の全国縦断がんサバイバー支援ウォーク 一言ブログ 7月23日





 今日はいよいよ最終日。気負いはありません。むしろ、ここまで来られてよかった、という安堵のほうが大きいです。
 午前9時過ぎ、定山渓温泉のホテルから少し降りた地点からウォーク開始です。

 テルモ札幌支店のメンバーが4人、日本対がん協会のメンバーが3人。NHKの取材チームも来ています。初めの数百メートルは、サバイバーの30代後半の男性も歩きました。抗がん剤の副作用で歩きづらいとのことですが、それ以外は大丈夫で、事務系の仕事を探しています。就労は大切です。体力に合わせた仕事が見つかることを祈りました。

 カエデ、ナナカマドなど緑は多いけれど、風景はだんだん街っぽくなってきます。ガソリンスタンドが居抜きでチェーンのラーメン店になっていました。
 11時頃、北海道がん患者連絡会の方が2人、合流しました。乳がんのサバイバーの松本洋子さん、肺がんのサバイバーの内山浩美さんです。松本さんがウォーク同行で、内山さんは車でフォローしてくれます。

 川幅が下流に行くほど広くなるように、ウォークの陣容もだんだんと大きくなります。豊平川の川べりで、リレー・フォー・ライフ・ジャパンとまこまいの藤田広美さん、下村達也さんと合流。苫小牧のリレーで24時間活動された翌日に駆けつけてくださいました。大通り公園のテレビ塔前では、北海道がん患者連絡会のメンバーたち、がんの基礎研究や予防で知られる小林博先生(90代です)らが、横断幕で出迎えてくださいました。

 20人ぐらいでしょうか。北海道がんセンターまで2キロの道を進みます。
 午後3時過ぎ、予定通りに到着。公益財団法人「北海道対がん協会」のみなさんが私の頭に、マラソンの優勝者がかぶる月桂樹の冠をかぶせてくださいました。
 3階の大講堂へ移動すると、拍手で迎えられて、花束贈呈です。まずは、胃がんのサバイバーででもある高橋はるみ・北海道知事。続いて、長瀬清・北海道医師会長兼北海道対がん協会会長、加藤秀則・北海道がんセンター院長らから花束をいただきました。

 高橋知事がご挨拶されました。
「がんを予防し、がん医療の充実を図り、そしてがんと共生する。これは、道民や国民の強い思いであります。このことを垣添会長は自らのパワーで訴えてこられました」
 その後、長瀬会長がこう述べました。
「北海道はがんの罹患率が高く、検診率が低い。喫煙率が高いという状況です。垣添先生がこのように啓発をしていただいたことを感謝します」
 おふたりの発言とも、重要な視点です。私の挨拶となり、
「九州がんセンターからスタートしました。ものすごい寒波で激しい雪の中を歩いていて、北海道からスタートしたかと勘違いしました」
 と話したところで、会場がドッと湧きました。

 私は、これまで訴えてきた3つのポイントを改めてお話ししました。
 ①がんになると、多くの方が孤立感や再発の恐怖におびえる。彼らを支えるために、日本対がん協会にがんサバイバー・クラブを立ち上げた。国民運動に育てたい。
 ②がん=死ではない。がんのイメージを変えるためにも、がんを隠すのをやめよう。10年先にはがんのイメージが全く変わっていることを心から願っている。
 ③予防としての禁煙、早期発見の検診が大切だ。

 このあと、交流会へ。
 舞台の前に三日月形にイスが並べられ、サバイバーの方や来賓の方たちが座りました。最初に私がウォークを振り返り、①九州の大雪、②愛媛県から広島県へ渡ったしまなみ海道のきれいな景色、③新潟県でスマホが壊れたときに受けた親切、④関東で尿閉(尿道からの排尿がうまくできなくなる状態)に悩まされたこと、などを話しました。

 今日一緒に歩いた松本洋子さんが、
「淡々とペースが崩れない力強い歩き方で、後ろ姿から垣添先生の強い意志を感じました。同時に、患者としても強い思いを持たなければいけないと学ばせていただきました。先生の強い体力がどこから来るのかもお聞きしたいと思います」
 朝起きると、腕立て伏せ150回、腹筋500回、背筋100回、スクワット100回、ストレッチを1時間して朝食を作る、と披露すると、会場がどよめきました。

 すい臓がんのサバイバーという松本眞由美さんはこう発言しました。
「がんの予防にも運動は大切だとよく聞きます。先生は、ウォークの中でくじけそうになったときは、どうやって気持ちを奮い立たせたのですか?」
「声をかけてくれたり親切な人がいたりすると、力になります。また、運動した方のほうが長生きするという論文がたくさんあります。予防でもそうです。意図的に歩きましょう」
 目新しい話題は出ませんでしたが、大切なことを語り合えました。
 最後に加藤院長が「垣添先生はゴールですが、サバイバー支援活動については新しいスタートだろうと思います」と語りました。これもまた、大切な視点です。


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