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第31回 “教科書”にない入院持ち物リスト
木口マリの「がんのココロ」

掲載日:2019年11月7日 10時00分

 入院前、地味に悩んだこと。それは、「持ち物」!

 入院は旅行とは違うわけで、手術やら検査やら、いろいろなイベントが盛り込まれています。病院のなかでしばらく生活するうえ、もしかしたら術後は体を思うように動かせないかもしれず、傷も痛いかもしれない。

 ある意味、入院は、「旅行+生活+サバイバル」のようなもの。

 そんななかでもできるだけ快適に過ごせて、かつ病院スタッフのみなさんにご迷惑をおかけしないような準備をしなければと、初めての入院では、穴が開くほど病院のパンフレットを熟読。しかしそこには、「寝巻き、日用品、履物」といったざっくりしたものしか書かれておらず。自分なりにさまざまなシチュエーションを思い描いてリストアップをしていきました。

 その後、私は予想外に何度も入院や手術をするハメに。2泊3日から1ヶ月以上の長期入院まで、合計9回。幸か不幸か、だんだんと入院準備のウデも上がっていきました。

 そんななかで見つけていった、私なりの「病院のパンフには書かれていないけど、これはイイ!」というものを紹介したいと思います。

実体験からの「これがあると、入院がかなり快適に!」

・ぬれマスク

・保温できるマグカップ(冬)

・枕

 最終的にまとまった私なりの必需品は多種多様。そのなかでも特に入院生活を快適にしてくれたのが、この3つでした。

 病院は、超・乾燥地帯(特に冬場)。喉がカラカラに乾き、夜中に咳き込んで目覚めることもしばしば。お洗濯には最適ですが、身体機能が低下している治療中には大変よろしくない。マスクよりもさらにパワーのある、湿度を高めてくれる「ぬれマスク」は、大変役に立ちました。

 保温のできるマグカップ(サーモマグ)と枕は意外と盲点。温かい飲みもの、そして柔らかいものは、心と体をほぐしてくれるホッとアイテムです。

 特に枕は、かさばるけれど快適度が10倍くらいアップ。私としては、これが一番気持ちを落ち着かせてくれるものだった気がします。病院によっては持ち込みが制限されているかもしれませんが。

快適グッズ「実用編!」

楽しい柄のトートはオススメの逸品!

・クリアファイル

・トートバッグ(小)

 この2つは、入院・治療して初めて気づく実用アイテム。
 入院中は、入院計画書やら、手術の方法を示した書類やら、麻酔の説明書やら、承諾書やら、書類をもらうことがやたらと多い! 見返すこともしばしばあって、クリアファイルは便利だな〜と感じていました。

 トートバッグ(小)は、点滴棒を引き連れての散歩やお買い物に都合がいいのは当然のことながら、治療中は、日常では考えられないような細々した医療器具を自分で管理する必要があることもあります。それらをまとめたり、運び出して使ったりするのに大変重宝しました(私の場合は自己導尿のための医療器具や消毒薬、人工肛門の装具一式など)。

  そのほか、周囲の人からたびたび聞くお役立ちアイテムが「S字フック」。そのため、初めて入院した友人へのお見舞いには、小さいトートバッグにクリアファイルとS字フックを入れ、飾りにきれいな造花を付けてプレゼントしています。

新しいグッズを買って、気分をアップ!

日記に描いた、「テンションが上がる持ち物リスト」。

 入院は、多くの場合、望んでするものではありません。がんになっただけでも気分は落ち込むのに、手術や抗がん剤をしなければならないと思うと、怖いし、全然楽しくない。

 そこで試してみたのが、「新しいものを買う」。
 旅行に行くときみたいに、新しい服やバッグ、入院中に使うためのグッズなど、何かしら新調してみるのです。

 私が買ったのは、院内で着るための着心地がよくてオシャレな服と、インテリアショップで見つけたフワフワなタオル。姉と一緒に、「これ、かわいいよね」などと話しながら買い物をしてまわりました。

 「入院したらコレを使える!」のような、ちょっとした楽しみが一つでもあると、かなり気分はアップするはず。私はだいぶワクワクしました。

病人らしくない患者になりたい

脱毛中にスカーフを巻いての、“病人らしからぬ”スタイル例。

 私が入院で目指していたものは「病人らしからぬ患者」。「いかにも治療中」というスタイルは、私の好みではないと思っていました。

 ということで、入院当初から決めていたのは「パジャマは着ない(少なくとも昼間は)」「院内でもファッショナブル」。治療に差し支えない範囲で、できるだけ自分にとって気持ちのいい服選びをしました。

 といっても持ち込んだのは、ユニクロで見つけた花柄のパーカーや、色鮮やかな綿素材のキャミソール、ワンピースになる柔らかい素材の前開きシャツなど。

 入院する日や退院の日には、いつも「お見舞い客と間違われるくらい」を目標に、頭にスカーフを巻き(抗がん剤ボウズ時)、しっかりとお化粧をしていました。入院中は、もちろん100%すっぴんです。

 それぞれ、自分の気持ちをアップするためにやってみたことですが、特に女医さんや看護師さんには好評で、お話をするきっかけにもなりました。

治療中に、ミニスカ、ブーツ、赤タイツでもいいと思う。

 世の中には、「病人はこうあるべき」といった先入観が少なからずある気がしています。そのために、知らないうちに「患者」を演じてしまうことも。

 それが自分にとってちょうどいいのであれば何も変える必要はないのだけれど、もしかしたら、「着るものを替える」「明るい色を取り入れる」「好きなリラックスグッズを持っていく」というだけで、気分が大きく変わるかもしれません。

 何かをするとき「形から入る」という方法がありますが、「形を作ることで、自分のなりたいものになっていく、なりたい気分になっていく」とも言えると思います。

 モノには、そんな効果があります。入院生活も、大切な自分の時間。ちょっとでも楽しく過ごしていけたらいいなと思います。

木口マリ

「がんフォト*がんストーリー」代表
執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。2013年に子宮頸がんが発覚。一時は人工肛門に。現在は、医療系を中心とした取材のほか、ウェブ写真展「がんフォト*がんストーリー」を運営。ブログ「ハッピーな療養生活のススメ」を公開中。

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