新型コロナウイルスの感染者が急激に増えてきました。数字に一喜一憂しないほうがいいと分かっていても、不安を感じない方はいないでしょう。
ホットラインにも、漠然とした不安を訴える電話が増えています。
患者さんだけでなく、ご家族もまた、不安やもどかしい気持ちを抱えています。
多くの病院が面会を制限しています。 「面会に行けないから様子がわからない」「病状が悪いから、会えないままその時が来てしまったら……」という切実な声が寄せられています。
入院していなくても、「自分が会いに行くことで感染させてしまうかもしれない」「もし自分が感染していたらと思うと、怖くて会いに行けない。でも、何かしてあげたい」と悩んでいるご家族は少なくありません。
「〇〇できない」ということがあると、つい、できないことに目が行きがちです。でも、工夫できることはあります。
メールやSNSでメッセージや写真、動画を送ったり、スマートフォンのテレビ電話で顔を見ながら話したり。写真や動画などは、あとで見返せる良さがあります。
「すでにやっています!」という方は、少し趣向を変えてみてはどうでしょう。 会えないご家族と、同じ時間に、同じテレビ番組を見て感想を言い合う。同じ献立のごはんを食べる。「今日はさわやかな青で!」と同じ色の服を着て写真を送り合う。同じ時間に夜空を見上げる……。
入院や病状によっては難しい場合もあるかもしれませんが、離れていても一体感を感じることができるかもしれません。 こうした時だからこそ、少し遊び心を加えて、頭と心を柔らかくして考えると道が開けてきますね。
最後に、ひとつ。あえてアナログな手紙やハガキを送ってみる、というのもいいかもしれません。
手書きの文字や文章から伝わる思いがあります。 ハガキの写真や絵で思いを表現することもできます。受け取る方の顔を想像しながらハガキを選ぶこと自体が、ご自身の癒しにもなるように思います。
離れていても、相手を思う。気持ちが繋がっていると感じられることが、お互いにとって、心の支えになるのです。