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第55回 みんなの「脱毛」アンケート! 〜楽しみ方、気持ちのアップ法も〜/木口マリのがんのココロ

掲載日:2020年12月18日 11時30分

「がんによる『脱毛』に特化したアンケート」を、11月21日〜30日までの10日間、がんサバイバー・クラブのご協力で実施しました。短い期間にもかかわらず、120名の方からご回答いただきました。ありがとうございました!

 驚いたのは、不安を抱えながらも、自分なりの楽しみ方を見つけようとしている人がとても多かったこと。アンケート結果を読んでいて、私も元気をもらいました。気持ちの落ち着け方や、プラスに考えるためのアイデアも多数。今、脱毛で悩んでいる方や、治療を始めようとしている方に、ぜひ読んでいただきたいと思います。
※回答のうち、いくつかをピックアップして掲載しています。文章を多少短くしている場合もあります。

【こんな方法で脱毛を楽しみました!】

ウィッグや帽子で楽しむ!

ケア帽子+ニット帽スタイル。帽子も楽しいアイテムでした!

「いろいろな色や長さのウィッグをファッション感覚で楽しんだ」(栗りんさん・肉腫・50代・女性)
「今まで試したことのないファッション、スカーフや帽子など、いろいろ試していました。金髪のウィッグも」(広瀬真奈美さん・乳がん・50代・女性)
「いろいろな帽子を買って、オシャレを楽しもう~♪ という気持ちを持つようにしました」(ふくさん・悪性リンパ腫・50代・女性)
「たまにシルバーのウィッグを遊びで購入して、写真を撮ってみんなを驚かせた」(サクセスナッツさん・乳がん・50代・女性)
「いろいろなショートタイプのウィッグを試したことで、自分に一番似合う髪型がわかりました。髪が生えそろったら同じ髪型にしようと思います」(はっさくみかんさん・肺腺がん・40代・女性)

 ウィッグや帽子は脱毛の頼もしい味方。私はそれまで、ウィッグはもちろん帽子もほとんどかぶったことはなかったのですが、脱毛を機に「帽子って、ファッション全体が整うな〜」ということを発見し、よく使うようになりました。もし友達に「脱毛ってどう?」と聞かれたら、「ファッショナブルになるよ」と、ズレた返答をしてしまいそうです(笑)。

意外な楽しみ方も!

「スキンヘッドからベリーショート、こんなことなかなか経験できないから結構楽しみました。どうせ全部抜けちゃうからと、抗がん剤治療前に金髪にしました。先生や看護師さんたちに思い切ったねぇと笑ってもらいました。金髪だったので、シーツや服につく抜け毛も目立ちにくくよかったです」(りなさん・腺様嚢胞がん・40代・女性)
「いろんなキャップやバンダナをかぶったりするのも楽しいですが、抜け始めのときに丸刈りにしたり、何もかぶらないのも好き(こういうことがなければ、できない髪型)」(たかみさん・子宮平滑筋肉腫・50代・女性)
「眉毛なども薄くなったので 家人の眉毛ペン(というのかな?)で描いたのはむしろ面白がっていました」(Luckyさん・食道がん・70代・男性)
「幼い子供たちが喜ぶように、キティのお母さんをイメージしてナイトキャップをかぶっていたのですが、ジャムおじさんと言われてしまいました」(あつこさん・横紋筋肉腫・50代・女性)
「写真で撮って記録しております。袈裟を着て宗門に入る気持ちです。免疫力が回復すれば、坐禅に臨みたいと思っております」(おちょさん・リンパ腫・70代・男性)

 金髪! 私も治療後のベリーショートのときはやってみようと思っていたものの、新たに生えてきた髪があまりにきれいで柔らかく、もったいなくてできませんでした。
 坐禅もいいですね。いつか、治療や病気で脱毛した人と、お坊さんと、自分で丸刈りにした人を集めて、全員で袈裟を着て、坐禅会をしてみたいという野望を抱いています。単純に楽しそうだからですが、「脱毛したって、選択で丸刈りにしたって、みんな素敵!」というメッセージを送れたらと思っています。

【脱毛は意外と快適!?】

掃除・ケアがラク!

「掃除がものすごく楽です! しんどい時期だったので、人間よくできているなぁと。世の中全員つるっぱげでもいいのではないかと思います」(バスが完全に停車してからさん・乳がん・40代・女性)
「お風呂で頭を洗うのは本当に楽ですし、坊主頭は軽いですし、意外と快適です。ただ、本当に寒いです! 髪があまり多くない私の父が、なぜ冬になると毛糸の帽子をかぶっているのか、謎が解けました」(しいちゃんさん・乳がん・30代・女性)
「頭から足まで石鹸ひとつで、時短の入浴タイムです(笑)。お洒落なバスグッズをみつけてみてはいかがでしょうか」(七福あんぱんさん・腹膜がん・60代・女性)
「しばらく美容院に行かなくていいので楽。白髪染めもしなくていいし、シャンプーもしなくていい」(koike60さん・肺がん・60代・女性)

 私も日記に、「掃除の回数が減っているなと思ったら、抜ける髪がなかった!」と書いていました。お風呂上がりもポンポンと拭いて終わり。一瞬です。今までどれだけ洗髪やドライヤーに時間をかけていたのだろうと思ったものです。

【抜け方にびっくり! & 困ったコト】

抜け方は人それぞれ

「風呂場で洗髪していた際に『ゴソッ』と音が聞こえた気がして、手を見たら髪の毛の塊をつかんでいたのです。そのうちにくるぞとわかっていても衝撃的な出来事でした」(よっちゃんさん・食道がん・50代・男性) 
「ズルズルと毛が抜けると思っていましたが、そんなことにはならず、いつのまにか『あれっ、毛が薄くなったみたい』という感じでした」(Luckyさん・食道がん・70代・男性)
「同時期に全て抜けるわけじゃなくて、サザエさんの波平のように数本残って、何でだろうと不思議だった」(未来@多発性骨髄腫igd型さん・多発性骨髄腫・50代・女性)

 私は抜け始めてしばらくは「落ち武者」で、最後は「波平さん」でした(笑)。抗がん剤が終わったころ、親しい看護師さんが「コレ、切っちゃおう」と、スパスパと波平ヘアを切ってくれました。フワフワと残っているよりもスッキリきれいにまとまったので、まあ、よかったか……。

困ったコト

「ウィッグの価格が高すぎる!安価なモノを組み合わせて使っていましたが、それでもちょっとなぁ、と思うこともありました」(あおなさん・悪性リンパ腫・40代・女性)
「会社にはウィッグをつけて行っていましたが、時間がたつとずれてくるので、元の位置に戻してばれないようにしていた」(まさまささん・胃がん・50代・男性)
「私は仕方ないとわりきっているのに、家族の方がウィッグなしの帽子での外出や、玄関先に出るのを嫌がっているのが困ったところです」(シドゥリさん・多発性がん・50代・女性)
「脱毛というと髪の毛全体のことばかり心配されますが、もみあげ、襟足など細部も大事だなぁと思いました。眉毛、まつ毛もカモフラージュできますが、鼻毛まで抜けた時は大変でした」(NOBUさん・乳がん・50代・女性)
「脱毛当初はウィッグもなく、タオルや帽子をかぶって登校したいと伝えると……担任から、『校則があるので、そのままの頭で登校してほしい』と言われ、かなり頭にきたことを覚えている。結局、校長や信頼できる先生に相談した結果、帽子やタオルOKになったが、その対応は今でも思い出すだけで腹がたつ。坊主と脱毛とは全く別物だということを理解してほしい」(ぶーさん・骨肉腫・20代・男性)
「冬は頭が冷えるので、冷やさないように気をつけています」(膵癌太郎さん・膵臓がん・40代・男性)

 子供のがんは特に少なく、学校の先生の理解が足りていない部分がまだまだあるのだろうと思います。逆に、先生がとまどうほどまったく気にしなかった小学生の話を聞いたこともあります。
 特に日本は「みんな一緒」や「平等」を重んじる社会ですが、子供か大人かに関わらず個々に感じ方は違うし、それぞれの話を聞き、気持ちを考えた対応をする柔軟さを持つことが必要だろうと思います。

【つらい気持ちを分かち合う】

つらい気持ち

「精神的なショックが予想以上で、治療が終わって1年以上経ってやっと落ち着いてきました」(みかんさん・乳がん・30代・女性)
「悲しい。死ぬまで毛がないんだと思うと切ない。エンドレス抗がん剤治療中です」(パールさん・大腸がん・50代・女性)

 気持ちが落ち込んだままでいる人は、本当に多いと思います。ただ、ここで思いを共有できたことで、「私と同じだ」とホッとしている人もいるはず。つらい気持ちでも言葉にすることで、だれかの勇気になっていると知っておいてもらいたいと思います。

つらい経験だった……けど!

チョビ生え&濃すぎ眉毛のころ「必殺仕事人」風で遊ぶ。ハゲたおじさんではありません。

「脱毛は男子でもショックでした。本当にばっさり抜けます。せっかくなので、若返りたい!と考え、『パッチギ!』の映画で小栗旬が付けていたウィッグを購入しました」(健斗さん・肺腺がん・40代・男性)
「最初はショックで気になったが、予想していたより脱毛せず、ツルツルにならなかった。自分がおじいちゃんのせいか、脱毛しても周りの人もそんなに気にしている様子はなく、気にしているのは自分だけだと気がついた」(ひろしさん・胃がん・70代・男性)

「男性はあまりショックを受けないだろう」という先入観がありますが、意外に多くの人がつらく感じていると、今回のアンケートで知りました。思い込みはいけませんね! 
 それにしても、小栗旬さんとは! 私も「アマンダ・セイフライド風ウィッグ」とか「アイコニック風ボウズ」とか、一人で思い浮かべていましたが、彼女らと自分の写真を並べてみたら、あまりの違いにとっても恥ずかしくなりました(笑)。

脱毛がショックではなかった人も

「こんなふうに抜けるんだぁとしみじみ思う。抜けても死なないならイイや~と。テレビとかで見るのはすごいショック受けているけれど、本当になった人を怖がらせるだけじゃんと、さめた」(よこさん・卵巣がん・50代・女性)
「きれいなスキンヘッドになっていないので、週一で丸刈りにしている。脱毛は副作用の中では一番楽なものと考えているので、なぜ脱毛が嫌なのか分かりません。見た目のインパクトが嫌なのでしょうか?」(まめたろーさん・乳がん・40代・女性)

 私もショックではなかった一人ですが、これから抜けるというときは、「どんな気持ちになるのだろう」と、だいぶ緊張していました。
 ドラマなどは、あまりにつらさばかりを強調しすぎていて、よくないと思います。イメージにとらわれず、少しぐらい双方のリサーチをしてくれと言いたいです。

【読むとちょっと元気になる! 脱毛との付き合い方】

私の「気持ちアップ法」!

髪質が変わって、念願のクルクル天然パーマに。とても遊びがいがありました。

「家族を悲しませたくなくて、自分の脱毛を自分で茶化していたら、本当に気持ちが軽くなった。形から入るのもアリかも……と思います」(修子さん・乳がん・60代・女性)
「治療が終わったらまた生えてくるということを、先輩を見てわかっていたので『今だけ、今だけ』とおまじないをかけながら治療期間を過ごしていました」(ハピネスさん・乳がん・50代・女性)
「私自身よりも、両親のほうが私の病気や髪の毛の抜けた姿を悲しんでいたので、ウィッグを付け替えてオシャレを楽しみ、坊主頭を可愛い可愛いと自画自賛し、明るく前向きに病気と向き合うことで、少しでも親孝行になればと思います。どんなことでも、心ひとつで有り難くも楽しくもなると思います」(しいちゃんさん・乳がん・30代・女性)
「坊主になること自体が貴重な体験なので写真をいっぱい撮る。似合うな~と思いながら鏡をたくさん見る。治療が終わって髪の毛が少し伸びたら染めたことのない色にしようと楽しみにしている」(ミニトマトさん・悪性軟部腫瘍・30代・女性)
「義理の母が自然に『その帽子いいね』の一言で、外に出かける勇気がでました。お義母さんに感謝です」(ももみーやさん・卵巣がん・40代・女性)

 みなさん、それぞれに脱毛との上手な付き合い方を見出していて、本当に素敵だな〜と思います。もちろん、悲しいこともつらい気持ちもたくさんありつつ、見つけていった「楽しもうとする思い」でしょうが、こういった声をたくさん集めて発信し続ければ、がん患者さんが抱える不安や世の中のがんのイメージも変わっていくのではないかと思います。

 大変な状況を、楽しまないといけないわけではありません。1日1日をやりすごすのだって、ひとつの手です。ただ、つらい気持ちから少しでも抜け出したいと思ったなら、一歩だけ前に踏み出してみるのはいかがでしょうか。

 こんなにたくさん、同じ思いを共有する仲間がいます。改めて、それを強く感じました。みなさんも、「自分は一人ではない」と感じてもらえたらうれしいです。

▶︎すべてのアンケート結果はこちら

木口マリ

「がんフォト*がんストーリー」代表
執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。2013年に子宮頸がんが発覚。一時は人工肛門に。現在は、医療系を中心とした取材のほか、ウェブ写真展「がんフォト*がんストーリー」を運営。ブログ「ハッピーな療養生活のススメ」を公開中。

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