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【開催報告】がんアドボケートセミナー
(ドリームキャッチャー養成講座第12期)

掲載日:2022年9月22日 17時00分

 がん医療について自分が描く夢(マイ・オンコロジー・ドリーム)の実現や、周囲の患者支援するためのアドボケート活動に取り組む人材(ドリームキャッチャー)育成する研修会「がんアドボケートセミナー」(ドリームキャッチャー養成講座第12期)が9月10日、オンラインで開かれた。

 公益財団法人日本対がん協会が運営するがん患者・家族の支援サイト「がんサバイバー・クラブ」が主催し、患者や支援者、患者会関係者ら約30人が参加した。

パリから参加された上野先生

 この日は、アドボケート活動に詳しい、米テキサス大MDアンダーソンがんセンターの上野直人教授が「マイ・オンコロジー・ドリーム ドリーム・キャッチャーをめざして」と題して講演。

 上野教授は「アドボケート活動には、医療を前進させる活動と、社会的なコミュニティーづくりの2種類がある。どちらも大切だが、社会にどんなインパクトを与えたいのかということを明確にし、周囲の人たちへ伝えられるかが大きなポイント。

 動機や思いの背景を分かりやすく伝え、何に対してインパクトを与えたいのか、一つだけでいいので提示する。小さい活動から始めればいい」とアドバイスした。

 続いて「患者会の活動事例とメンバーの巻き込み方」とのテーマで、活動に取り組む4団体が活動目的や運営手法について話した。

 AYA世代を中心にした患者グループ「AYA GENEREITION+group」代表で、乳がんサバイバーの桜林芙美さんは「『必要な時』に繋がる、繋がれる」をめざした。患者会に入らなくても病状の変化、孤独感などに即応でき、オンライン交流会やLINEによる情報発信などで患者の居場所を提供したいという。

 がんフォト*がんストーリー代表の木口マリさんは子宮頸がんサバイバー。治療中に体力が落ちてカメラが持てなくなり、スマホで写真を撮り始めたことが活動のきっかけ、患者の日常、家族の思いなどを作品にし、がん患者を励ますとともに、がんの社会的イメージを変えることをめざし、オープンスペースでの写真展を開催などしている。

 リンパ浮腫ネットワークジャパン(リンネット)代表の岩澤玉青さんは乳がん診断後、リンパ浮腫に。患者自身が環境を変えていこうと、リンパ浮腫に関係するすべての人が安心して生活していけるよう患者支援、治療環境の改善をめざす。ポータルサイトでの情報提供や第4期がん対策推進基本計画策定に向けてのロビー活動にも取り組んでいる。

 一般社団法人食道がんサバイバーズシェアリングス代表理事の髙木健二郎さんは、全国規模の患者会をめざしている。そのため、交流会などを通して、自分で考え、活動する思いを持っているリーダー的な人材を各地で発掘。患者会の中で、誰がリーダーか、何をするのか、どこへ向かうのかをはっきり伝えるようにしているという。

 2022年度のセミナーは「ベーシック」「アドバンスト」の2段階構成になり、両方に参加し、実現可能な企画を立てた修了者(団体)は、日本対がん協会が新設した「がんアドボケ―ト活動助成」を申請できる。助成は1団体10万円を上限に10団体まで。活動終了後、成果報告書と決算書を提出する。

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