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【開催報告】共催イベント「Working Cancer Survivor’s Day 2023」がんになった経験を社会に活かそう

掲載日:2023年12月22日 9時56分


 公益財団法人日本対が協会は2023年11月、 “がんと就労”についての啓発イベント「Working Cancer Survivor’s Day 2023」をNPO法人日本キャリア開発協会NPO法人がんノートとの3者で共催しました。勤労感謝の日にちなむイベントで、今年が5回目になります。

 今年は2日間に分け、1日目は11月21日(火)、企業の人事、総務担当者や経営者を対象にしたトークセッションを東京・築地の国立がん研究センター研究棟セミナールームで開催し、対面形式で22名が参加しました。がんノート代表理事の岸田徹さんが進行役となり、働く世代のがんサバイバー2名(乳がんの女性、舌がんの男性)の体験を通じ、がん治療と就労について、どのような困りごと、どのような気持ちで対応をされたかなどをお聞きしました。

 後半は、企業の皆さんに働く世代のがんサバイバーの気持ちを身近に感じてもらおうと、がんノートが制作したボードゲーム「がんノートJOURNEY」を行いました。

 このボードゲームは、会社員ががんと診断された後の人生を送る際に、起こる出来事に対して、自分だったらどうするか、その「選択」を考えていくようなものとなっています。ゲーム上で起こる出来事は、がんサバイバーの実体験を反映しています。働く世代のがん罹患者を疑似体験したことで、企業の皆さんも治療と仕事の両立支援を自分事として考えるきっかけになったのではないかと思います。

 参加者からは「経験談やゲームでの当事者疑似体験を通じて、職場での対話の必要性を実感した」「自分ごととして考えられるよい機会になりました」などの声が聞かれました。


【11月21日 参加者へのアンケート結果】

■満足度回答データ

 イベント全体への満足度が大変満足+満足が89%でした。また、トークセッションの大満足+満足は100%、ボードゲームへの大満足+満足も78%と高い評価をいただきました。


■参加者からの声

≪イベント全体≫

・がん患者さんの世界観を垣間見ることができたため。対話が必要だと感じました。

・トークセッションも聞き応えがあり、またボードゲームのクオリティーが高く、とても良いツールだと思ったから

自分ごととして考えるよい機会になりました。

≪トークセッション≫

・制度があっても周知が不十分では意味が薄いことに気付きました。また、対話の時間で当事者の上司はもちろん、同僚にも啓蒙が必要だと感じました。

・どのようにがん治療と向き合って来られたのか、直接お聞きできてイメージができました。おそらく、今回の時間では語り尽くせないできごとや思いがあったのだろうと想像しました。

≪ボードゲーム体験≫

・がん患者さんには様々なイベントが起きる=直線的な予想ができないことを感じました。

・たくさんの判断をしなければならない事が、ゲームを通して体感することができました。

・当事者としてはリアルだと思って真剣に楽しめた反面、支援者(がんの経験のない人)のチョイスを見ていると、やはり感覚が違うなと感じる面があった。色んな使い方が出来ると思った。

・初めはルールが難しいと思いましたが、やってみると非常に学びがありました。

ボードゲームを理解しないままスタート、選択の意味や状況を理解できないままに終了しました。もう少し理解する時間や余裕があったらもっと有用なツールかとおもいます。残念でした。

 2日目は11月26日(日)、一般向けにオンラインで開催し、がんサバイバーの方を含め29名が参加しました。1日目のトークセッションの動画を視聴した後、4~5名ずつに分かれてグループトークを行いました。

 参加者からは「体験者の話への感想、自身がおかれている立場、気持ちの揺らぎ、職場の違い、今後の事など、さまざまな考えが聴けてとても参考になりました」。また、「緊張したが進行役の方が優しく話しやすかった」「顔出し、声出しなど選べてプライバシーへの配慮を感じました」などイベント運営を褒めてくださるコメントもいただきました。

【11月26日 参加者へのアンケート結果】

■満足度・感想回答データ

 イベント全体への満足度が、大変満足+満足が100%でした。また、トークセッション(動画)への大満足+満足は96%、グループトークへの大満足+満足も88%とどの項目も高い評価をいただきました。


■参加者からの声

≪イベント全体≫

・グループセッションで、それぞれ闘病を経験された方々と様々な思いを共有することができた為。

・サバイバーの方々の生のご意見を聞かせていただくことができ、大変勉強になりました。がん経験者の求職活動について知ることができ、またそれについてグループで話し合うことが出来たため。

・自分の勉強不足もありましたが、まずは知ることが出来ました。

・事例のビデオを観てからのグループトークは活発な意見交換ができたと思います。

・とても良い企画でした。色々な視点を学ぶ事ができたし、自分の経験も価値があることを認識できました。また参加してみたいと思います。

・他の事例(会社や患者)や工夫をお聞きしたり、お話したりできる機会はあまりないので、勉強になった。

・うまくいかなかった事例や、それに対する課題なんかも話し合えるといいのかな、と思いました。

≪トークセッション(動画)≫

制度はあれど…やはり気持ちの整理がつかないと前に進めないということがよく伝わってきた。

・恵まれた環境の方だとは思ったが、ちゃんと積極的に声に出されて、自分から発信されている姿に勇気をいただきました。

・サバイバーの方のお話を伺えるのは、とても貴重でした。ケースに触れる機会、その方の生の声を伺える機会は多くあると、両立支援がもっと身近に感じるなあと思いました。

・自ら制度に関する情報を収集したり、支援してくれる機関と繋がろうとする行動力は素晴らしいし、大事な事だと感じた。

・お二人の体験が、がんになったショックも相当だったと思うのに、治療と仕事の両立を現在もしておられる中、考えなければいけない事を会社と相談、ご自身でもしっかり制度を見つけてアピールしたり、ご自身の人生をしっかり見ておられることを感じました。

・ガンへのそれぞれの向き合い方、職場環境、お金にまつわる問題などいろいろ考えさせられた。自身も支援につなげることが出来る存在になりたいと感じた。

【11月21日と11月26日、2日間の開催のまとめ】

 大企業では、働くがんサバイバーへの理解が深まり、支援活動も浸透しつつあるようですが、中小企業では、がんへの理解や患者への支援がまだ不十分だと感じています。日本対がん協会は、これからも働くがんサバイバーの方たちが思い描いた希望する人生を生きて行けるよう、日本キャリア開発協会と共に支援活動を行って行きます。

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