~リレー・フォー・ライフのシーズンを迎えて~
「がんになって治療していることを周りに話せない」
こんなふうに感じたことはありませんか?
「同じような世代、同じような立場、同じような病状の仲間に会いたい」
こんなふうに感じたことはありませんか?
リレー・フォー・ライフの会場には、同じような経験をした先輩や仲間がきっと参加しています。
治療、痛み、悩み……それは自分にだけ起こった特別なことではないのです。そのことに気づくことができます。それだけでも、気持ちは変わります。
同じ体験をした仲間に出会ってほしい。出会った経験を持つ仲間たちは、その想いを話しています。
リレー・フォー・ライフってなんだろ?
がん患者さんやそのご家族を支援し、地域全体でがんと向き合い、がん征圧を目指す――それがリレー・フォー・ライフです。1年を通じて取り組む、がんで苦しむ人を減らすためのチャリティ活動です(詳しくはこちら)。
1985年にアメリカで始まり、現在は世界約30カ国で行われています。大きな活動です。
先日、リレー・フォー・ライフ・ジャパンとちぎ(栃木県壬生町)に参加してきました。開催7年目、たくさんの実行委員さん、ボランティアさんに準備をしていただきました。
9月8日の正午に開会し、翌9日の正午に閉会です。「がん」は24時間眠らない、を表現し夜を通してリレーウォークをします。
最初の1周はサバイバーズ・ウォークと呼ばれ、がん告知経験者がフラッグを持って歩きます。それを支える皆さんがトラックの周囲から拍手で讃えます。
私も、がん告知経験者が持てるバンダナを持って、1周、胸を張って歩きました。たくさんの皆さんからの「頑張ったね」が背中を押してくれます。
「とちぎは毎年、雨がすごいんですよ。雨対策は大丈夫です」

紫のバンダナはサバイバーを表します
笑顔でお話しされる実行委員さんの言葉通り、夜は大雨でした。しかし、みなさん、何事もないようにチームや個人で歩いています。トラックに灯されたルミナリエも、雨対策のビニールをかけてもらい朝まで、歩く人たちの足元を灯します。
次の日は雨も上がり、青空に恵まれました。
特別な1日でした。
好きな時間に参加できる
9月~10月は、全国各地で毎週のようにリレー・フォー・ライフが開催されます。お近くの方はちょっとだけ勇気をもって会場をご覧ください。
きっと多くの仲間の笑顔があります。
事前申込はいりませんし、好きな時間に参加して、帰っても大丈夫です。
生涯で2人に1人ががんを告知される時代と言われています。
2005年に「がん」を告知される前は、私も理由もなく、自分には関係ないと思っていました。ある先生がこんなことを言っていました。人生には上り坂、下り坂だけじゃなく「まさか」があると。私の場合も、まさに「まさか」でした。
あれから15年。「まさか」の時こそ仲間と一緒に越えていきたいと願うばかりです。
リレー・フォー・ライフの開催地、開催日程はこちらをご覧ください。
(文・横山光恒)