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医療者の力をいかすのは患者の声

掲載日:2019年3月11日 9時48分

 がんサバイバーや家族は様々な悩みに直面しています。毎日の生活のこと、仕事のこと、家族のことなど病院の医師や看護師に相談しにくいことも少なくありません。日本対がん協会では2006年より「がん相談ホットライン」を始めました。たくさんの相談が寄せられ、相談員が一人ひとりの思いを受け止めています。シリーズ「ホットライン便り」でお届けいたします。


 「チーム医療」。皆さんにはこの言葉はもう耳慣れた言葉でしょうか。

 チーム医療をしている病院で治療を受けたい…そんな相談を受けることも以前よりも増えたように思います。少しずつこの言葉が浸透してきている証なのでしょう。

 しかし、その一方でチーム医療をしている病院にかかっていても、そのサポートを受けている実感が持てていなかったり、それを十分に活用できているとは言えなかったりしていることもあるのではないでしょうか。

 チーム医療をしているとうたってはいても、患者さんにとって十分なチーム医療が実践されているとはいえないと思える話を聞くこともあります。

 チーム医療は患者さんを中心に、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、栄養士、リハビリの専門職、ソーシャルワーカーといった多くの職種の専門家が協力しながら、それぞれの専門的な立場から一人の患者さんの治療や療養生活を支えていくことです。

 なかには患者さんが直接会う機会のない職種の人もいますが、多くの専門家たちが患者さんを支えていこうとしています。患者さん一人ひとり必要なことや望んでいることが異なるため、患者さんによってチームの構成メンバーは異なります。でも、いずれも、患者さんが中心、ということには変わりはありません。

 患者さんは自分が感じていること、悩んでいること、困っていること、心配なこと、希望していることなどを医療者に自分の言葉で伝えていくことが大切です。患者さんもチームの一員ですから、患者さんが声をあげていかなくてはせっかく沢山いる専門家の力を活かすことができません。

 とはいえ、医療者に自分の気持ちや希望を伝えるのは、医療者が思う以上に患者さんにとってはハードルが高いことです。医療者側も患者さんにチーム医療を知ってもらう努力や、気持ちに配慮して患者さんが活用しやすくなるような工夫が必要ですし、そうすることが質の高い支援に繋がっていくに違いありません。

 チーム医療は患者と医療者の協力が不可欠です。お互いがそれを認識してやっていくことが肝要です。
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