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デザインやポスターを一新しました

掲載日:2019年4月11日 11時27分

 がんサバイバーや家族は様々な悩みに直面しています。毎日の生活のこと、仕事のこと、家族のことなど病院の医師や看護師に相談しにくいことも少なくありません。日本対がん協会では2006年より「がん相談ホットライン」を始めました。たくさんの相談が寄せられ、相談員が一人ひとりの思いを受け止めています。シリーズ「ホットライン便り」でお届けいたします。

ポスターは東京デザイン専門学校グラフィックデザイン学科 田中菜摘さんの作品。

 ホットラインに電話してこられた方のなかには、「勇気が持てず何ヶ月も電話をかけることを迷い、辛い日々でした」こう話された人がいます。  一方で、「もっと早く知っていたら、こんなに苦しまずにすんだかもしれない」と、相談できる場所があることを知らず、一人で悩み苦しんでいたと打ち明ける人もいました。
 こうした声を受けて、ホットラインを多くの人に知ってもらい、知っていても利用をためらう人の背中を押してくれるような心に響くデザインを、という思いで、今年3月、ホットラインを紹介するリーフレットとWebのデザインを一新し、新たにポスターも制作しました。
 これらのデザインは、東京デザイン専門学校の学生が制作してくれました。がんへの関心が薄い世代です。  依頼するにあたって、単にデザインしてもらうのではなく、制作を通して「がん」のことを知ってほしい、がんを経験した患者さんやご家族はどのような不安や悩みを抱えていて、それに対して周りはどのようなサポートが出来るかを考えるきっかけにしてほしい……こうした思いがありました。

学生たちが利用する人の目線で制作

新しいリーフレットのデザインは、東京デザイン専門学校グラフィックデザイン科 深澤奈緒さんの作品

 学生たちは、それに応えてくれました。3つのデザインはそれぞれの制作者が、患者さんやご家族の気持ちを想像しながら、そして、利用する人の目線で制作したものです。
 リーフレットの表紙デザインは、誰でも電話がかけやすくて安心感のあるデザインをと考えられていて、人と人だけでなく、人が街や社会と繋がり、そこに温かな未来や希望があることが表現されています。  Webのデザインは、実際にホットラインを利用した相談者からいただいた言葉を使って受話器がかたどられています。  ポスターのデザインは、一人で悩み苦しんでいる人や、相談をためらう人の背中を押すようなデザインをと考えられていて、崩れかけた人を人が支え、“誰かに頼ってよかったんだ。”というフレーズを表現しています。 「ホットラインに相談してみようかな。でも・・・・・・」  そう思ったとき、上手く話そうと思わなくても大丈夫です。  考えや気持ちの整理がつかないままでも構いません。対話を重ねながら、それを一緒に整理していくのも私たち相談員の役割です。  新しくなったリーフレットやWebのデザイン、そして、新しく制作したポスターから、私たちの気持ちが伝わって、気負わずに利用していただけることを願っています。

ウェブのデザイン。東京デザイン専門学校グラフィックデザイン科 荻野千秋さんの作品。
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