10月になり、各地で街中がピンク色に染まり始めました。 毎年10月は「乳がん月間」です。乳がんの正しい知識を広め、乳がん検診受診の推進を啓発するキャンペーンが全国で行われています。
乳がんは、早期で見つけて治療すれば、治癒できる可能性があるがんです。でも、早期発見する機会である検診の受診率は5割を切っていて、まだまだ低いのが現状です。
「胸が小さい自分には関係ないと思っていた」 「身内にがん患者がいないから大丈夫だと思っていた」 「ほかの病気で通院しているから、それでわかると思っていた」 こうした声は少なくありません。
また、親の介護や子育て、仕事などがあって、自分のことを気にかける余裕がなく、検診に行きそびれてしまったという話もしばしば耳にします。
逆に、検診に行った方からは、受けて良かったという声も聞きます。
「コロナのことがあるから、今回はやめておこうと思っていました。でも、受けないのも怖いなと思って行ったら、乳がんが見つかりました。もし行っていなければさらに進行していたかもと思うと、怖くなりました。検診って大事だって、ようやくわかりました」
「乳がんと言われてショックでしたが、担当医から『治癒を目指した治療になります』と言われました。せっかく早く見つかったのだから、まだまだやりたい事が沢山あるので、頑張ろうと思います」
「乳がんが見つかってから5年以上経ちました。検診で早く見つかったから、今こうして元気にいられるのだと思います。今は孫の世話が生きがいです」
検診で見つかったことで、治療に対する意欲が持てたり、充実した人生が送れていたりするのです。こういう声を聞くと、やっぱり検診は大事だなという思いを強くします。
現在、生涯で女性の9人に1人が乳がんになると言われています。決して他人事ではありません。 「自分事」として、乳がん検診を受けていただきたいと思います。
忘れてしまわないように、スマホの通知機能を使うのも一案です。
ところで、話題は変わりますが、インフルエンザワクチン接種についての相談が寄せられる季節になりました。 がん患者さんも、接種が勧められています。今年は新型コロナウイルスとの同時流行に備えておく必要もあります。治療内容や病状によって、接種の時期は検討が必要な場合がありますので、早めに主治医と相談してみてください。
―お知らせ― 日本対がん協会では、10月の乳がん月間にあわせて、乳がん専門医による無料の「乳がん電話特別相談」を実施中です。乳がんに関する不安や心配事がある方ならどなたでもご利用いただけます。 詳しくはこちらへ → https://www.jcancer.jp/news/11520