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【開催報告】がんアドボケートセミナー(第12期ドリームキャッチャー養成講座)を終えて

掲載日:2022年11月29日 9時00分

 一般社団法人オンコロジー教育推進プロジェクトとの共催で毎年開催している「がんアドボケートセミナー~ドリームキャッチャー養成講座~」は、今年12期生を迎えしました。コロナ以降も工夫を重ねてオンライン開催を継続し、今年は「ベーシック」と「アドバンスト」という、初めての2部構成でのプログラムで開催となりました。

 第2部「アドバンスト」は、10月29日(土)にオンラインにて開催。第1部「ベーシック」での学びをさらに深め『自分の計画や思いを実現化する』を目標に、受講生と講師、アドバイザーがそれぞれの思いや意見を熱く交わしました。アドバンストの開催報告と合わせ、セミナー全体を総括したいと思います。

【アドボケートセミナー Program】

ベーシック(9月10日:オンライン開催)

1.「ミッション&ビジョン・マイ ドリーム」を上野直人先生と一緒に考える

2.「アイスブレイク」

3.「患者会の活動事例とメンバーの巻き込み方」

4.「グループワーク」患者支援活動を考えよう!


アドバンスト(10月29日:オンライン開催)

1.アイスブレイク

2.受講生の発表・ マイ・オンコロジー・ドリーム

3.お疲れさま会


 <ご協力いただいた講師の先生方>

上野 直人 先生 テキサス大学MDアンダーソンがんセンター(MDA) 教授(オンライン登壇)

木口 マリ さん(がんフォト*がんストーリー 代表)

桜林 芙美 さん(AYA GENERATION+group 代表) 

髙木 健二郎 さん(一般社団法人食道がんサバイバーズシェアリングス 代表理事)

岩澤 玉青 さん(リンパ浮腫ネットワークジャパン(リンネット)代表)

森川 直人 先生(東北労災病院 腫瘍内科 第二部長)

三浦 裕司 先生(虎の門病院 臨床腫瘍科 部長)

平井 理心 先生(筑波大学附属病院 公認心理師/臨床心理士、医療メディエーター、茨城県 院内臓器移植コーディネーター)



「アイスブレイク」~活動と人生に心を寄せる~

 まずは、第1部ベーシック終会後の受講生から届いた質問・疑問を題材にアイスブレイクからスタート。患者会を主催しているメンターに対しては、スタートアップ資金や助成金、スタッフの巻き込み方など、具体的な質問が目立ちました。助成金については「地域に特化した助成金にチャレンジする」「単年度もあるが継続して数年申請できるところを狙い撃つ」という具体的な策を共有してくれた岩澤玉青さん、「横のつながりから助成金の情報を教え合ったりして採択につながったこともある」という桜林芙美さんの実体験、「1回チャレンジしてダメだったとしても何度でもトライしてほしい」という髙木健二郎さんの温かいエールがあふれました。「スタートアップ資金に自己資金を投入するか否か」というテーマでは、各団体のこだわりや大切にする考えが反映された意見交換となりました。医療者の先生方へは、アドボケートに関わるというテーマから、医師を目指した理由など、よりお人柄に近づく質問が寄せられ、広がりをもってご回答いただいたことでアイスブレイクがより一層深く、医師と患者という関係から同じ目標を持った仲間への距離にと変化した距離感で、人生や価値観に触れる温かな時間となりました。


活動に向けて~それぞれの思いを声にする~

 参加者12名全員が、それぞれ3分間の持ち時間の中で、ご自身の活動計画やマイ・オンコロジー・ドリームを発表。事前に資料を作成してきた人もいれば、口頭で熱い思いを共有してくださった人も。具体的に言葉にすることで一歩踏み出しました。それぞれの発表テーマはがん教育から研究まで様々。0を1にする企画もあり、ポジティブなエールで、前向きに取り組む気持ちに潤いがもたらされました。


動画 ~支援の場で大切にしてほしいこと~

 支援対象者を大切にすることと合わせて、自分自身も同じように大切にする必要があるいわゆる「バウンダリー」をはじめ、ネットリテラシー、プライバシーポリシーの一層の厳重化など、活動をする際に気を付けるべきことは日々アップデートされています。そうした大切な部分を「患者支援活動をするにあたり、心に留め置くべきこと」と題した動画に収め、受講生に共有しました(講師:平井理心先生)。是非、ご自身の思い描く活動について振り返る機会にしていただければと思います。


総括

 2022年春、新型コロナウィルス感染症が収束に向かう気配の中、本セミナーは当初「対面開催」を予定して企画・準備が進んでいました。しかし8月上旬、第7波を迎えた社会状況を鑑みて、オンライン開催へ変更する決断をした次第です。終会後のアンケートで、開催方法についてご意見をいただく項目を設けたところ、コロナ禍においてはオンライン開催が安心という心情とできれば対面で皆さんと交流したいという思いが交差するご回答を得ました。「安心・安全な場所づくり」で、いかに対面に近い学び・交流の場を作れるかという課題については、今後も模索を続けていきます。
 今回の2部構成の本セミナーを通して常に脳内に広がったキーワードは「紡ぐ」。ひとりでできないことも複数名なら広がる可能性、スクラムを組むことで強化される安定感と結束力、お相手を尊重して誠実に想いを伝える力の底上げ。補完し合いながら「患者支援」という大樹が一層はぐくまれる「期待」しかありません。(日本対がん協会 がんサバイバー・クラブ 大田原りな)

1部・2部のアンケート結果(抜粋)はこちらからご覧いただけます。

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