新着情報

クリコ流ふわふわ介護ごはん
第15回 低栄養にならない献立のヒント

掲載日:2023年2月17日 16時23分

 こんにちは。クリコです。

 高齢者や在宅介護を受けている人は、低栄養になりやすいと言われています。低栄養とは栄養が足りていないこと。年齢とともに運動量が減り、食べる量が減るだけでなく噛む力や消化吸収能力が低下することも、低栄養になりやすい原因の一つです。
 低栄養状態が続くと免疫力が低下して病気にかかりやすくなり、さらには認知機能が低下することもあり、健康寿命を左右しかねません。
 今回は低栄養を防止する食事についてお話ししましょう。

●炭水化物、脂質、たんぱく質をバランスよく

 低栄養を防止するには、6つの基礎食品群の中でも、エネルギー源である炭水化物(ご飯やパン、いもなど)と脂質(油脂、バターなど)、血液や筋肉を作るたんぱく質(肉や魚、卵、大豆など)をバランスよく摂ることが大切です。



 低栄養になっていないか、簡単に確認する方法があります。
 厚生労働省が示している低栄養の目安は、肥満ややせすぎなどの指標として知られるBMIを用います。計算方法は下図の通りです。目標とされているBMI値よりも数値が低い場合は低栄養とされます。食事の内容や摂り方を見直されると良いでしょう。食間におやつタイムを設けるのも手ですね。


●おかゆは低カロリー

 介護食では定番のおかゆですが、水分を加えて煮ているため、同じお茶碗一杯の分量でも、カロリーは普通のご飯の半分以下です。ちなみに、全がゆ100gは71kcal、ご飯100gは168kcalです。
 少しでもカロリーを増やすために、いつものおかゆでリゾットを作ってみます。おかゆに野菜のピュレと鶏ガラスープの素を加えて煮て、最後にバターと削ったパルメザンチーズを混ぜたら完成です。これだけで脂質もカルシウムも簡単に増量できます。

 おかゆに市販のスープ(粉末)を混ぜれば、ほうれん草のリゾット、トマトリゾット、きのこリゾットが簡単に作れます。ちょっと豪華に濃厚ビスク風味のリゾットもおすすめです。




●高齢者は唐揚げが大好き!

 高齢者は揚げ物が苦手、油っぽいものは好まないというイメージ、ありませんか?実は、意外とそうでもないようです。
 介護車両による送迎サービスつき介護スナック『竜宮城」の経営者佐々木貴也さんにお話を伺う機会があり、人気メニューは何ですかとお尋ねしたら、「鶏の唐揚げです。オーダー率100%」との答えにびっくりしました。
 天ぷらや唐揚げなど、揚げ物でたんぱく質や油脂をおいしく摂ってもらいましょう。

●毎食後のデザートで体重アップに成功!

 病後の夫に体力をつけるために、毎食後デザートを出すことにしました。季節のフルーツをミキサーにかけて、介護食用のゲル化剤を混ぜてムースを作り、ホイップクリームでデコレーション。果物好きの夫はものすごく喜んでくれました。
 手間のかかる介護食作りに加え、デザートを作ることができたのは、介護食用のゲル化剤のおかげです。ゼリーやムースを作る場合にゼラチンをよく使いますが、固まるまでに2時間くらいかかります。介護食用のゲル化剤を使えばたったの3分で常温で固まります。介護食作りの強い助っ人になりました。
 ほかにも、かぼちゃのピュレを使ったプリンやお麩で作るパンプディングは、卵や牛乳、生クリームが栄養になり、病気で激減した夫の体重も順調に増えていきました。

 今年のお正月も93歳になる母と家族で過ごしました。最近、母の食が細くなって心配していましたが、おせちの合間に作る 磯辺焼き、お汁粉、たこ焼き、すき焼きは驚くほど食が進み、私たち家族を喜ばせました。全部、母が好きな食べ物です。
 好物を積極的に取り入れながらバランスのよい献立作りの工夫をしてみてはいかがでしょうか。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 今回ご紹介するレシピは、ホタテすり身のフライです。ホタテは高タンパクで、タウリン、カリウム、亜鉛、ビタミンB1、B12など豊富な栄養素が詰まっています。ふわふわのホタテフライに特製タルタルソースを添えて召し上がってください。

ほたてすり身のフライ タルタルソース添え


【材料 1人分】

材料名 分量
1 ほたてすり身 約90g
*作り方は第9回「ほたて すり身」参照
2 【バッター液】
小麦粉 大さじ1
大さじ1弱
マヨネーズ 小さじ1
3 細かいパン粉 適量
4 揚油 適量
5 【タルタルソース】
固ゆで卵 1/4個
ピクルス 3g
玉ねぎ 50g
パセリ 0.5g
マヨネーズ 10g
マスタード 3g
練乳 2g
ウスターソース 2滴
6 レモンくし切り 適宜
7 レタス 適宜

【作り方】

  1. ほたてのすり身を3〜4等分し、ほたての形に成形し500Wの電子レンジで2個ずつ約30秒加熱し、そのまま冷ます。加熱済みのほたて形を冷凍保存してある場合は解凍する。
  2. タルタルソースの材料のゆで卵、ピクルス、玉ねぎ、パセリをごく細かいみじん切りにし、マヨネーズ、マスタード、練乳、ウスターソースを混ぜる。
  3. 1にバッター液、パン粉の順につけ、180度に熱した油でさっと揚げる。 *加熱しすぎると固くなるので、火を通しすぎないよう注意する。
  4. 3を皿に盛り、2、レモン、レタスを添える。
クリコ
料理研究家・介護食アドバイザー 本名は保森千枝(やすもりちえ)

自身の介護経験から、加熱しても固くならない手作りの肉・魚介素材を考案。柔らかく、見た目に食欲のわく肉・魚介料理のレシピを多数開発。野菜ピュレを活用した野菜料理は、主食からデザートまでレパートリも豊富。
食べる人だけでなく作る人も一緒に楽しめる、そんな家庭の食卓作りをモットーとしている。

【Webサイト】
「やわらかい・飲み込み安い クリコ流ふわふわ希望ごはん」
https://curiko-kaigo-gohan.com/
【主な著書】
「希望のごはん」(日経 BP社)
「噛む力が弱った人のおいしい長生きごはん」(講談社)
ぜひメールマガジンにご登録ください。
ぜひメールマガジンに
ご登録ください。
治りたい
治りたい
治りたい
治りたい
治りたい