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第79回 新・“教科書”にない入院持ち物リスト @2024年版 〜みんなの投票 TOP 10!〜/木口マリの「がんのココロ」

掲載日:2024年7月11日 10時00分

 「実際にその立場になってみなければわからない」というのはよく聞く話だけれど、「入院のとき、何を持っていくべきか」もそのひとつ。入院を目前にして「はて、どうしたものか」と考え込んでしまいます。

 第31回「木口マリのがんのココロ『“教科書”にない入院持ち物リスト』」https://www.gsclub.jp/tips/11573を書いたのも、入院前の友人からの「どうしたものか」という相談がきっかけでした。

 その後、数人の友人から「持ち物を検索したらキグチの記事が出てきた」と連絡をもらいました。ありがたい反面、けっこうたくさんの人が地味に悩んでいるのだと実感しています。


今回紹介するのは、『“教科書”にない入院持ち物リスト』の最新バージョン。がんサバイバー・クラブと『がんのココロ』のコラボ企画として、がん患者さん、ご家族、患者会、支援団体などから「入院に持って行ってよかったもの」を募集しました。

 集まったのは、合計80回答。重複したグッズをまとめても約62点! 使用感やエピソードも添えられていて「なるほど〜」とうなることも多く、なかなかに読み応えがありました。

 その一部を、がんサバイバー・クラブのリアルイベント『ジャパン・キャンサー・サバイバーズ・デイ(=JCSD)』(2024年6月2日開催)で掲示し、来場者のみなさんに「これはいい!」と思ったものへシールを貼ってもらいました(1人3グッズまで)。

 前編・後編の2回シリーズでお届けします。前編の今回は、JCSDの投票結果トップ10の紹介です。では早速いきましょう!

●投票結果トップ10!


※カッコに応募者のニックネームを記載。本名の方は個人情報保護のため「匿名」としました。
※コメントは、一部を抜粋しています。


【1位(107票):延長コード】

「充電中も手元でスマホをいじれるので」(匿名、たてきょん。さん、はははんさん)

 ダントツ1位! 近年のモバイル事情を考えると、必需品かもしれません。実は、私は持っていきませんでしたが(笑)。何度も入院した病院では、いつも意外と使いやすい位置にコンセントがありました。そういえば別の病院に入院したときは、たしかにとても使いづらかったですね。1つあると重宝しそうです!

 また、はははんさんのコメントで、「一番困ったのは通信環境。Wi-Fiを使えるスペースが個室か共有スペースに限られていた。気軽にリモートワークができれば仕事を辞めずにすむ人もたくさんいるのでは」とありました。

 これもコンセントの位置同様、まだ病院によって差があるように思います。そのあたりの情報や、通信環境が整っていない場合にどんな対策をとったらいいか(モバイルWi-Fiを使えるかなど)も入院案内に提示してくれるとありがたいですね。


【2位(69票):S字フック】


「これさえあれば、袋にちょっとした小物を入れてベッドに引っ掛けておけるので重宝しました」(まっちゃんさん)

「入院中は何かと動けないことが多い。乾燥対策の濡れたタオルやごみ袋、ナースコールのボタンなど引っ掛けられて便利。ゴチャゴチャしがちな充電系の配線もフックにまとめて通せば整理できる」(匿名、他7名)

 S字フックは不動の人気グッズ! もちろん私も持っていきました。私が下げていたのは実用品のほかお守りやアクセサリーなど。見えるところにだれかの気持ちが込められたものやお気に入りのものがあると落ち着きます。

 そのほか、「カラビナ型のS字フック」という回答もありました。 「普通のS字だと布団や体が当たって落ちてしまうことがよくあるのですが、カラビナだと落ちることがなく助かりました」(ふみーたさん)

 カラビナとは、アウトドアでよく使われる「S」の引っ掛ける部分が閉じるようになっているものです(Sが9や8のような形になる)。これは私もマネしたい!


【第3位(66票):ご飯のお供】

「入院中は食べることが大きな楽しみです。お気に入りのご飯のお供、普段は買わない贅沢品も自分へのご褒美に!」(こばにゃんさん)

「なかなか食欲が出ないなか、食事制限がなかったので持参しました。飽きのくる病院食が少しは進みました」(Kaari リボンズケアumiさん)

 ひとつでも楽しみがあると、心が穏やかになります。贅沢品もナイスアイデア! 入院前から入院がちょっと楽しみになりそうです。


【第4位(37票):クリアファイル】

「病院では印刷された紙の書類を結構沢山貰うので役に立ちました。種類別に入れると見やすいし、探しやすいです」(なるとさん)


 クリアファイルは私の入院の推しグッズでもあります。今も、「検査結果」「次回の検査で持っていく書類」「医療関係の領収書」に分けて入れています。確定申告のときもまとめやすい!


【第5位(36票):リップクリーム】

「乾燥対策としてベッドサイドに1本。コロコロ転がらないように楕円や四角のフォルムがおすすめです!」(ももねこさん)

 病棟は、超・乾燥地帯。唇だけでなく、爪周りが乾燥しているときにも役立ちます。しかし楕円や四角のものがあるのは知りませんでした! コロコロ転がるのはイラッとしますもん。


【第6位(35票):アロマオイルやスプレー】

「個室だったらスプレーをお部屋でシュッシュッとして。大部屋だったらハンカチにアロマオイルを垂らして枕元に置いてリラックス」(えんまるさん、いちごさん)


 また、いちごさんは「アロマディフューザー(個室の場合のみ)」もおすすめしています。

 香りは気分をリラックスさせてくれたり、元気にしてくれたり、さまざまな効果が期待できますが、その逆で「消臭スプレー」というアイデアもありました。

「体調によっては食事の時の食べ物の匂いで気分が悪くなることもあり、大変役に立ちました」(maffiさん)とのこと。しかし同時にmaffiさんは、お気に入りのフレグランスも持って行ったそう。

「ベッドの上が少しだけ自分の部屋のように思えて気分が明るくなりました。ただし、大部屋で強く香るものは周りの迷惑になりますので、その点は気をつけなくてはなりませんね」


【第7位(31票):お気に入りのパジャマ】


「レンタルが便利だけど、お気に入り(前開き)を持参して気分をアップ」(おけはざまさん)

 同じく「前開きのパジャマ」と回答したNさんは、「仲良くなった患者同士で順番に使い回した」とのこと。各自1枚ずつ準備して持ちより、負担を削減したそうです。いろいろなアイデアがありますね!


【第8位(28票):ティーバッグ】

「お家で飲んでいたもの、好きな匂いのものはとにかくホッと出来ました。ペットボトルじゃなくて、あつーーいの飲みたくなったりしたので」(まっちゃんさん)

 同様のものとして「ドリップコーヒー」(いちごさん)も。味や香りは、自分時間を感じさせてくれるもの。給湯室のお湯が使えたので、私もお気に入りのハーブティーを持っていきました。


【第9位(25票):洗濯ばさみ】


「トイレでは寝巻をまくり上げて止めておく。点滴棒にミニタオルをはさんでトイレに行くのも便利」(わさびさん、匿名)

 そういえば人工肛門になったとき自動的に支給される「人工肛門グッズ用ポーチ」みたいなものがあったのですが、そのなかに「長いヒモで繋がれた2つの大きな洗濯ばさみ」が入っていました。

 ヒモを首にかけ、両端の洗濯ばさみで服をはさんでお腹を出し、お腹に造られた人工肛門のケアをしやすいようにするものです。今思うと、ずいぶんコアなアイデアグッズをポーチにセットしておいてくれたものですね。オドロキです。


【第10位(24票):前開きパーカーとジョグパンツ】


「病院内を散歩中も入院患者に見えない。でも回診の時、すぐ患部を出せる」(いちごさん)

 私も「病人らしからぬ入院患者」を目指していたので、赤や紫色の綿のキャミソールに花柄のパーカー、というスタイルでした。「いつもオシャレですよね」と研修医さんから言われたときは、心のなかでガッツポーズ!でした(笑)。


 医療はどんどんいい方向に変化しています。ところが病院からもらう入院案内の持ち物リストは一向に発展していません。これだけたくさんの経験者のアイデアがあるのに、もったいない気がします。

 がんになってからの最初の入院なんて、ただでさえ不安だし、ひとりぼっちな気分の人も多いはず。病院の持ち物リストに「先輩患者さんのアイデア」として一口メモでも付けてくれたら、持ち物の悩みも、心細さも、少しは減るのではないでしょうか。無機質な「ご案内」に人のあたたかみが加わって「ひとりじゃないんだ」とホッとできるのでは、と思います。医療者のみなさん、ぜひご検討ください。

 後半は、10位までには入らなかったけど、ナイスなアイデアの数々を紹介します。お楽しみに!


 

木口マリ
「がんフォト*がんストーリー」代表 執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。2013年に子宮頸がんが発覚。一時は人工肛門に。現在は、医療系を中心とした取材のほか、ウェブ写真展「がんフォト*がんストーリー」を運営。ブログ「ハッピーな療養生活のススメ」を公開中。
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