日本対がん協会は、がん患者さん・ご家族への支援に取り組む非営利団体を対象に、「伝わるフライヤーづくり講座」を、8月8日(入門編)と29日(実践編)の2回にわたって、オンラインで開催しました。
活動に取り組むうえで「届けたい相手に情報をきちんと届ける」ことは、欠かせない大切な視点です。そこで今回は、活動や団体についての情報発信に広く用いられる「フライヤー(チラシ)作り」に焦点を当て、作成に不安を抱える方々に向けて、実践的に学ぶ場を設けました。
全2回開催のこの講座では、全国各地でがん患者さんご家族への支援活動やがん教育の推進、啓発活動などに取り組む非営利団体の方々のべ51名にご参加いただきました。講師にはデザインの専門家である水谷真一郎さん、勝浦景子さんの、お二人をお招きしました。入門編では、単なるデザインのテクニックにとどまらず「情報の整理と組み立て」を中心に、「情報をどう届ければ、必要としている人の行動を後押しできるのか」という視点からお話をいただきました。実践編では、事例検討や画面上での文字・イラストの操作を通じて、フライヤー作成の工夫を体験しました。
参加者からは、「すぐに実践に活かせる大切なことを教えてもらった」「今回の学びをホームページやSNSでも活かしたい」「技術的な部分に目がいきがちだったが、改めて『伝える』『伝わる』を学ぶことができた」といった感想が寄せられました。
終了後のアンケート(回答率80%)では、「活かせる学びはあったか」の問いに対して「おおいにあった」と回答した方が85%、また「学びを活かせそうな時期」については、「明日からすぐに」が68.4%、「1〜3か月後」が21.0%と、短期間での実践につながる効果が期待されました。さらに「この講座への参加が活動への意欲向上につながったか」については、「とてもそう思う」が85%、「ある程度そう思う」が15%と、ポジティブな行動変容に至った可能性が示唆される回答が得られました。
今回の講座が、皆さんの活動や思いをよりわかりやすく伝え、必要とする方々にしっかり届けるための実践力向上につながれば、嬉しく思います。これからも、がん患者さん・ご家族への支援に取り組む非営利団体の皆さまを応援できるようなプログラムを考え、実施してまいります。
