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「全身を耳」に 相談者の声に傾聴 ~がん相談ホットラインより~

掲載日:2018年3月29日 16時31分

 がんサバイバーや家族は様々な悩みに直面しています。毎日の生活のこと、仕事のこと、家族のことなど病院の医師や看護師に相談しにくいことも少なくありません。日本対がん協会では2006年より「がん相談ホットライン」を始めました。たくさんの相談が寄せられ、相談員が一人ひとりの思いを受け止めています。新シリーズ「ホットライン便り」でお届けいたします。

「全身を耳」に 相談者の声に傾聴 ~がん相談ホットラインより~

 私たちは日頃、電話相談に対応していますが、リレー・フォー・ライフ(RFL)の会場では面接相談を受けたこともあります。  RFLは、がん患者や家族の方々を支援するための寄付を募ることを主な目的にアメリカで始まったイベントです。日本では2006年プレ大会として初めて筑波で開催されました。その筑波プレ大会の初めてのRFLから「がん相談ホットライン」の相談員も継続的参加してきました。
 アメリカ同様に寄付を募っていて、その一部が「がん相談ホットライン」に使われています。ですが、どのように役立てられているのか、電話相談自体のイメージがつかめない方も多いのではないでしょうか。そこで、今回は普段の相談の様子を少しお話ししたいと思います。
 「電話相談」は、「電話」による相談ですから、相談者と相談員が直接顔を合わせることはありません。当たり前ですが……。  表情やしぐさなど視覚的に得られるものがまったくないため、相談者の声だけが頼りになります。  相談者が話した事柄だけではなく、一つひとつの言葉はもちろんのこと、声のトーン、間合い、息づかいに及ぶまで神経を集中させ、少しでも相談者を理解しよう、電話の向こうの声から相談者の心や想いを感じ取ろうと努めています。全身を耳にしていると言っても過言ではありません。  
「治療について教えてほしい」「副作用のことが心配」「仕事を辞めなくてはいけないでしょうか」「家族として何ができますか」「とにかく話を聞いてほしい」「誰に相談してよいかわからない」……寄せられる相談は様々です。

 私たち相談員は看護師や社会福祉士ですので、医師のようには医学的な判断や、セカンドオピニオンのような意見を言うことはできません。   しかし、じっくり話を聴き一緒に考えていくことはできます。  そのうえで必要な情報を提供したり、相談者の行動に繋がるようなことを提案したり、気持ちのサポートをしていくこともあります。対話を重ねる中で相談者自身が気づき、気持ちの整理になっていくこともあります。  上手く話せないかもしれない、こんなことを話していいのだろうかという心配は無用です。私たちはいつでも、相談者の声に耳を傾け、共に考えていきたいと思っています。
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