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知っているようで知らない 治験・臨床試験を知ろう 第4回サバイバーカフェ開催レポート

掲載日:2018年5月10日 14時52分

 がんサバイバー・クラブは、4月19日、第4回「サバイバーカフェ」を開きました。テーマは「~知っているようで知らない 治験・臨床試験を知ろう~」。会場は、東京・銀座の日本対がん協会の会議室です。
 講師は、がん情報サイト「オンコロ」(株式会社クリニカル・トライアルが運営)責任者の可知健太さん、治験問い合わせ窓口責任者の濱崎晋輔さんの2人。オンコロは、きめ細かくわかりやすい臨床試験情報の提供や電話相談に定評があります。2015年5月にスタートしました。

 

新薬開発の成功率は3万分の1

 最初に講演したのは、可知さん。もともと製薬会社で薬の臨床開発の仕事をしていました。
「新薬ができるまでは、9年から17年かかります。費用は500億円、開発の成功率は約3万分の1です」
 と、新しい薬の誕生がいかに困難を伴うかを説明しました。


可知さんの熱いトークに皆さん真剣です

 続いて、そもそも「臨床試験と治験は、どう違うのか」を解説します。
「臨床試験は、薬を飲むなど、実際に人間を対象にした試験のことです。治験はその一部です。未承認の薬を使って、(その薬が)国の承認を得るために行う試験のことです」
 国に、新しい薬の有効性や安全性などを認めてもらうためには、データが必要です。治験は、そのデータを集める過程なのです。

治験には3段階ある

 治験には、第1相、第2相、第3相の3段階があります。
 第1相は、初めて人に投与する試験です。主に安全性を調べます。だんだん投与量を増やし、副作用をチェックしながら、最大耐用量(どこまで投与できるか)を見ます。

 第2相は、主に有効性や安全性、投与方法を探ります。薬の効果と副作用を見ながら、適した用量がどのぐらいかを調べます。効果は、奏効率(腫瘍が30%以上小さくなった人の割合)や、無増悪生存期間(効果が続く期間)などで判断します。がん種によりますが、だいたい50人から100人で実施します。

 第3相は、有効性の検証です。既存の薬(標準治療)と比べて、新しい薬のほうがより効果があるかを調べます。無増悪生存期間、生存期間がどのぐらい伸びるか、がポイントです。第2相より多い300人から500人で実施します。「第3相でよい結果を得られたら、国に承認を申請します。逆に効果があるという結果が得られなければ、500億円かけて開発してきても、パーです」

 それから可知さんは、乳がんや非小細胞肺がんにおける実際の治験の結果を、グラフを示しながら解説しました。専門的なグラフでしたが、治療効果の比較の仕方など基本的な見方がわかりました。

 

 

 治験の3段階。P1は第1相、P2は第2相、P3は第3相。第3相にある二重盲検とは、医師も患者も、新薬かプラセボかがわからない方法のこと(先入観を避けるため)。

患者に届いていない治験情報

 治験の基礎のレクチャーの後で、休憩をはさみ、濱崎さんにバトンタッチしました。
 濱崎さんも、もとは製薬メーカーのMR(医薬情報担当者)。可知さんとは大学の同級生で、一緒にオンコロを立ち上げました。可知さんの担当する問い合わせ窓口では、参加できる治験を探したり治験参加までをサポートしたりしています。

「がんの治験情報を欲しいと思う方、手を上げてください」
 最初に濱崎さんが尋ねると、多くの手が上がります。2016年にオンコロで取ったアンケートでも80%以上の人が「ほしい」と答えたそうです。
「ところが、最初の治療を行う前に治験の情報をもらえた患者さんはとても少ないのです」
情報が、必要とする人に届いていない現状が浮かび上がります。

がんと診断されたときに治験情報を知ってほしい

 濱崎さんは「治験の問い合わせあるある」と題して、治験についての「よくある質問」について語りました。
①治験って人体実験?
「治験は国への届け出が必要で、法律に則って行われています。強制されるものでもありません。人体実験という表現は間違っていないけれど、怪しいことではありません」


②プラセボ(偽薬)を使うことは倫理的にどうなの?
「治験では、新しい薬ではなく、比較対象としてのプラセボに当たることもあります。そして、プラセボに当たっているかどうかは治験が終わるまでわかりません。でも、どちらの薬であれ、治験薬で体調が悪くなれば、治験を中止して次の治療に移ります。また、治験は、将来の人のために新しい治療を残すためのものでもあります。これまで、プラセボに当たる可能性があっても『自分の治験参加が役に立てばいい』という言葉をいただいています」


③先生はなぜ治験情報を教えてくれなかったの?
「先生もすべての治験情報を知っているわけではありません。自分の病院でやっていなければ、情報があまりなかったり、勧めなかったりします。また、治験という根拠がない治療を勧めることにためらう先生もいます」


④治験に参加すれば治りますか?
「わかりません。なぜなら、治験によって、効果や安全性が検証されるからです。多くの治験は、参加するにあたり、治療開始前という条件があります。治療を始めてからそれを知って後悔する患者さんがたくさんいます。だから、私たちの願いは、がんと診断された最初のときに、患者さんが入れる治験の選択肢を知ってもらうことです。患者さんがほしいのは情報で、自分で選べることが大事です」
 濱崎さんはこう結びました。


濱崎さんのアットホームなトークで和やかな雰囲気で進められる。

セカンドオピニオンから治験を探せる

 再び休憩後、質疑応答に移りました。
――治療を受けている病院で治験をやっていない場合はどうしたらよいのですか?
「治験をやっている病院に行くしかありません。セカンドオピニオンでその病院に行くのがよいでしょう」

――治験の一覧が載っているサイトはありますか?
「国立がん研究センターなどにありますが、ちょっと難しいです。オンコロに相談してくだされば確認します。また、お金はかかってしまいますが、専門病院などでセカンドオピニオンを続けていくと、最初は治験がなくても、治験が見つかったら教えてもらえます」
 
 参加者のみなさんが治験について知りたいことは多く、終了時刻が過ぎても質問は続きました。
 サバイバーカフェでは、機会を改めて、このテーマを取り上げることを検討しています。


 オンコロのサイト。がん関連のニュースも充実している。

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