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第57回 みんなの「うれしかった言葉」アンケート! 〜何度も読み返したくなる一言集〜/木口マリのがんのココロ

掲載日:2021年3月24日 15時00分

 前回の「脱毛」アンケートに続き、今回は、「家族・友人・医療者などから言われてうれしかった言葉、励まされた言葉」のアンケートを行いました。ご回答いただいた43名のみなさん、ありがとうございました!

 がんのアンケートというと、よく行われるのは「大変だったこと」や「改善したい点」など。もちろん、それらはとても大切だけれど、たまには「いい思い出」も集められたらいいなと思っていました。

 きっと、読み進めるうちに「私も、こんなこと言われたなあ」と思い出してくるはず。あなたの「うれしかった一言」を心に思い浮かべながら読んでみてください。

 ※回答のうち、いくつかをピックアップして掲載しています。文章を短くしている場合もあります。

【家族からの言葉】

家族から送られてきた写真。実家の犬も励ましてくれていました(多分)。

「生きていてくれるだけで十分なんだよ」

 抗がん剤後で体調がすぐれず、家事も仕事も休んでいたとき、こんな状態で生きている意味があるのか落ち込んでいたときに、「生きていてくれるだけで十分なんだよ」と、抱き締めて言ってくれた。(くうちゃん・子宮頸がん・50代・女性)

 私たち家族のために生きてください。(みかちゃん・子宮頸がん・50代・女性)

「やっぱり一緒にお風呂入ろう」

 当時小学1年生だった娘が、乳がんのオペをした傷にびっくりして一度は泣いちゃったけど、数日後に、「やっぱり一緒にお風呂入ろう。もう大丈夫だから」と言ってくれた。それから、また一緒にお風呂に入るようになりました。(6にゃんさん・乳がん・40代・女性)

「がんばって」

 自分もがんばるからママもがんばってね。(かきさん・卵巣がん・40代・女性)

 友人が少なく、子供のころから自分は人から大切な存在だとあまり思われていないと思っていたのですが、夫や友人など、思いがけずたくさんの人々から「がんばって」と言われたことが何よりも励みになりました。(スターガールさん・子宮体がん・50代・女性)

「それは不安だよね。当たり前だよ!」

 細胞診の結果待ちをしていた期間、気持ちが揺れてとても不安でした。そのことを家族に伝えたところ、「そりゃ不安だよ~。確定しないって一番不安だよね」と共感してもらい、今の自分でいいんだ、と感じてとてもほっとしました。(lisuさん・甲状腺がん・40代・女性)

「この先も、ずっとこのままかもしれないじゃん」

「いずれ悪化すれば、入院、治療、移植と進むわけじゃん」と私が言ったところ、「この先も、ずっとこのままかもしれないじゃん」と言われたことが本当にうれしかった。
 過度な否定や肯定でもなく、サラッと言われたことが、「本当にそうなるかもしれない」と思えてなおうれしかった。(エルモさん・MDS/骨髄異形成症候群・40代・女性)

「必ず戻るから」

 2年前に肝細胞がんで亡くなりましたが、主人の動画での、『必ず戻るから』。今、治療中の私が前向きになれるのは、それを聞いているからです。ありがとう。2月の子宮全摘手術、成功するように見守ってね(^^)。(ラブスヌーピーさん・卵巣がん/子宮頸がん・40代・女性)

普通の会話

 逆に、がんの事は触れずに普通の会話をしていました。(ノブさん・大腸がん・50代・男性)

笑顔を見るだけで

 毎日のようにお見舞いに来てくれた家族。治療の副作用が辛くても、家族の笑顔を見るとがんばろうと思いました。(健斗くん・肺がん・40代・男性)


 いずれも「私が、そばにいる」という思いが、言葉の奥にある気がしました。

 一緒に生きていてほしい。
 不安なときも、そばにいる。

 がんになったことへの心の負担や治療への不安が予想外に大きく、「だれもわかってくれないだろう」と孤独を感じている患者さんは多いと思います。

 それでも、「一緒にいてくれる人がいる」「不安を受け止めてくれる」と知るだけで、感じ方は大きく変わってくるもの。

 私がそれを実感したのは、姉に「手術が怖い」と伝えたときでした。姉から返ってきたのは、「そりゃ、そうだよ」という言葉。その一言で「怖がっていいんだ」と、心が柔らかくなりました。

【友人からの言葉】

「絵馬を書きました」と、友人から送られてきた写真。心があったまります。

「忘れるヒマないくらい会おうよ」

 脳転移して、家族や友人を忘れてしまうかもしれない……と医師から言われたと、友人に言った。「忘れちゃったらゴメンね」と私が言うと、「忘れる前にまたゴハン食べようよ。忘れるヒマないくらい会おうよ」と言ってくれた。辛いよね~とか、忘れてもいいよ、じゃなく、「忘れるヒマもないくらい」って。今やオンラインごはん。おかげで忘れていません。(ヨネさん・乳がん・50代・女性)

「治せ」

 遠く離れた学友からの2文字のみ“治せ”のメール!(アグリさん・大腸がん・50代・男性)

「後悔しないようにしようね」

 違うがん種の知人に言われた言葉で、「こういう病気になっていつ死ぬか分かんないから、後悔しないようにしようね」と言われました。
 普通に聞くと落ち込みそうな言葉ですが、私は「確かに!」とすごく納得して気力が湧いてきたのを覚えています。正直、胃がんになる前よりも今の方がいろんな事に対して意欲的になっています。まだまだ意欲だけで体力面や体調面は大変だけど、やりたい事やって後悔しない生き方をしたいなと思えました。(モモさん・胃がん・30代・女性)

「またね!」

 年1回しか会えない地元の友達より。(おかちさん・肺がん・30代・女性)

「ひとりじゃないよ」

 ブログ友達からの言葉。「怖いよね。でも、ひとりじゃないよ。一緒に頑張ろう!」(NOBUさん・乳がん・50代・女性)

「生きてください」

(まりりんさん・乳がん・60代・女性)

「よくがんばったね」

 長年お世話になっている美容師さんに「よくがんばったね」と言われた言葉に励まされました。
 私は化学治療も放射線治療も比較的副作用が軽く、手術入院のみ会社を休んだだけで治療生活を過ごせましたが、この言葉に、改めて自分はがんばったのだと感じることができました。(菊次さん・乳がん・50代・女性)

「がんばったね」(kazuさん・上咽頭がん・40代・男性)

「一緒にがんばる」と、友人の薬剤師から泣きながら言われたとき、ありがたくてうれしかったです。(えみりんさん・乳がん・50代・女性)

「手術できる状態なら、手術を受けてほしい」

 先に乳がんになった友人から「手術できる状態なら、手術を受けてほしい」と言われたこと。(おこたんさん・乳がん・60代・女性)

「あなたは笑顔がきれいだから」

「あなたは笑顔がきれいだから、再就職叶うわよ」。入院中、同室の高齢の女性からの励ましの言葉。失業中の私が、がんと年齢が足かせで再就職できないかもと弱音をはいたら、この言葉で励ましてくれた。(ぶさいくさん・乳がん・50代・女性)

「ゆっくりすぎて信じられなくても、体は回復する方向に力を発揮する」

 すい臓がんの切除手術を受けるとき、医者をしている古くからの友人が、「確かに大きい手術で回復までには時間がかかるが、人の体は薄紙をはがすようにほんの少しずつ回復していく。ゆっくりすぎて信じられなくても、我々の体は回復する方向にその力を発揮するようにできている」と言ってくれました。
 手術とその予後に大きな不安を抱えていた私にとって、とても勇気づけられる励ましでした。(おーぐっちゃん・すい臓がん・50代・男性)

ずっと気にかけてくれていた

 仕事帰りや、休みの日にちょくちょく顔を出して(私は入院中)他愛ない話をしてくれた友。休み時間にこまめにメールをくれた同僚。特別な励ましの言葉ではなく、ずっと気にかけてくれていることが伝わってうれしく、励まされました。(ぴっかりさん・子宮体がん/甲状腺がん・50代・女性)


 友人ががんになったとき、何と声をかけたらいいか迷ってしまう人は多いのではないでしょうか。家族ほど近くなく同僚ほど遠くない、友人くらいの関係が、もしかしたら一番難しいかもしれません。

 私の友人たちは、毎日のようにニャンコのおもしろ画像を送ってくれたり、「よくなるように」と絵馬を奉納してきてくれたり、近所のお散歩に誘ってくれたりしました。
 ぴっかりさんの言葉のように、「気にかけてくれている」と感じられるのが一番うれしかったように思います。

【同僚からの言葉】

「いつまでも待ってるからね!」

 LINEで、復帰がまだできないと伝えたとき、「無理しないで。いつまでも待ってるからね!」と送られてきたときはうれしかったです。(まさこさん・乳がん・50代・女性)

「落ち着いたら、またバッティングセンターに行こう」

 数年前に1回だけ一緒にバッティングセンターへ行っただけなのに、思い出してくれました。シンプルだけど、すごくうれしかったです。少し迷ったけど、思い切って自分の病気のことを話して、よかったと思いました。(MWさん・舌がん・40代・男性)

「迷うなら、すぐ辞めないでいいんじゃないか」

 子宮がんで亡くなった職場の先輩の配偶者から、「仕事を辞めるのはいつでもできる。迷うなら、すぐ辞めないでいいんじゃないか」。(emiさん・子宮肉腫・50代・女性)

「この選択は間違ってなかったと思える人生が待ってるよ!」

 30代で子宮体がんと告知されました。「いつかは子供が欲しい。子供ができたら一緒にこんなことしたいな」など考えていたので、絶望のなか子宮を摘出するか迷っていました。
 そんなとき、職場の先輩に「自分で考えて選んだ道は間違ってないよ! 何があっても私はあなたの味方だから! 5年後、10年後、この選択は間違ってなかったと思える人生が待ってるよ!」と言ってもらい、「私は1人じゃない。子供ができなくても幸せな人生が送れるのではないか」と思えるようになり、子宮を摘出する決意ができました。(まーささん・子宮体がん・30代・女性)


  

 仕事関係の付き合いでは、「迷惑をかけているのでは」と、申し訳なく感じることもあると思います。そんな気持ちのときにもらう思いのこもった言葉は、余計に心に染み渡るもの。

 私は一人で仕事をしているので同僚はいませんが、以前の同僚と退院後に初めて会ったとき、私の回復しつつある姿を見て「何か、感動した」と言っていました。ずっと心配してくれていたのだなあと、じんわり温かい気持ちになったのを思い出しました。

【医療者からの言葉】

病棟から見える富士山を、お医者さんや看護師さんと一緒にスマホで撮りまくったのもいい思い出。

「大丈夫。あなたは、決して一人ではないから」

 乳がんと診断された日のこと。
「車を運転するなら、ロビーで少し落ち着いてから帰宅した方がいいよ」とアドバイスをいただいたので、飲み物を買い、一人で心を落ち着かせていました。そこへ医師が通りかかったので、お礼を兼ねて思い切って話しかけてみました。
 すると、「大丈夫。あなたは、決して一人ではないから」と。その言葉がとても心強く、がんに立ち向かっていく勇気になりました。(チルチルさん・乳がん・40代・女性)

「幸せになるお手伝いをさせてください」

 乳がんという診断を受けて、心の中が不安でいっぱいになった私に、主治医がかけてくれた言葉です。
 あれから12年。今は、先生の患者さんが幸せになることを願いながら、院内乳がん患者会の運営をさせてもらっています……という気持ちは、先生には内緒です(笑)。(ハピネスさん・乳がん・50代・女性)

「ピンピンシャンシャンと退院して行く姿を想像して、手術をします」

 肺がん摘出手術の前の晩に、「私は、貴方がこの病院の玄関をピンピンシャンシャンと退院して行く姿を想像して、手術をします」と言われたとき。(ほりきんさん・肺がん・60代・男性)

「よくがんばったね」

(広瀬さん・乳がん・50代・女性)

「よくがんばってるね」

(roseさん・乳がん・50代・女性)

「ポジティブな考え方はいいことですね」

(meeさん・乳がん・50代・女性)

「いつでも来い」

 化学療法で吐き気がひどいとき、「またすぐに食べられるようになるから焦るな。仙人になったつもりで、水を飲んで時期を待て。しかし、水分も摂取できなかったら、いつでも来い」。(オリーブさん・乳がん・60代・女性)

「大丈夫! 絶対治るから!」

 医師からの「大丈夫! 絶対治るから!」という一言です。何もわからないまま突然入院になり不安でしたが、この一言で覚悟が決まりました。(ろこちゃん・胚細胞腫瘍・20代・女性)

 乳がん診断後に診察室で、不安になり弱気な言葉や余命などを聞いた際に、医師からはっきりと「がんは治ります!」と強い口調で言われた。(わかさん・乳がん・40代・女性)

 予後がいいので、再発があってもほぼ100%治る。(ヒロさん・精巣腫瘍・30代・男性)

「最善の結果になりました」

 術後退院して初めての診察で、開口一番「最善の結果になりました」のお言葉。何より聞きたかったことを簡潔に伝えてくださった先生に感謝いたします。(ふわぷくさん・直腸がん・60代・女性)

「人任せにしてないで、自分で病気のことを勉強しなさい」

 当初は怒られたみたいに感じたが、一時帰宅した際に本を購入して勉強し、治療に前向きになれた。(ふちゅくまさん・卵巣がん・50代・女性)

「何かあれば、また僕がちゃんと診るから」

「治療はうまくいったと、僕は信じていますよ」と、再発や転移のことを気にしていた時に担当医が言ってくれました。そして、「何かあれば、また僕がちゃんと診るから」と。その後も不安がつのるとその言葉に戻ります。
 他にも、抗がん剤で入院したときには、その都度、医師、看護師、薬剤師、栄養士がベッドまで来て説明してくれ、介護士、掃除の方も話しかけてくれました。周りの方が私のために精一杯してくださっていると実感でき、自分もがんばろうと毎回勇気が出ました。(うぱるぱさん・卵巣がん・50代・女性)

「もうベテランですね」

 食道がんで4回目の内視鏡手術のとき、ドクターから「もうベテランですね」と言われ何だかうれしかった。余談ですが、我が家は妻(乳がん)も私も2人そろってサバイバー10年選手です。(ミッキーさん・食道がん・70代・男性)

「貴方は、世界に一人しかいない」

(おぎちゃん・乳がん・50代・女性)


 今回のアンケートで一番多かったのが、この「医療者からの言葉」でした。

 患者にとって、もっとも頼りにしたい人は医療者だと思います。
 がんに関わる医療者と患者は、多くの場合、初対面。それなのにいきなり命に関わる話をしていくなんて、考えるとすごいことです。

 そんななかで、「うれしかった」「励まされた」と感じた人がこんなにいたなんて、ちょっと感動。ぜひ、医療者にも知っていただきたい。

 私が医療者との関わりで思い出すのは、ほとんどがいいことばかり。お医者さんとの話はこれまでたびたび書いてきましたが、看護師さんとのストーリーもたくさんあります。
 不安なときは寄り添ってくれたり、時間があるときは恋バナで盛り上がったり(笑)。「看護師さんたちに会える」と思うと、抗がん剤治療の入院が毎回楽しみで仕方ないくらいでした。人との心のつながりが、これほどの力を持つとは!


 今回は、多種多様な「うれしかった言葉」が集まりました。
 何度も読み返しては、「人って、いいなぁ〜」とほっこりしています。

 アンケートの通信欄に、「久しぶりに主治医からもらった言葉を思い出して、優しい気持ちになりました。素敵なアンケートを企画して下さってありがとうございました」という言葉をいただきました。(こちらこそ、ありがとうございました!!)

 当時感じた温かな気持ちは、言葉を思い出すだけで何度でも体感できるものだと思います。手帳の片隅に書き込んで、時折、ホッとしてみるのもいいかもしれません。


 アンケートでは、同時に「お見舞いでもらってうれしかった物」「治療中に役立った物」の募集も行いました。今後の「がんのココロ」で紹介していきます!

▼「みんなの「脱毛」アンケート! 〜楽しみ方、気持ちのアップ法も〜」記事はこちら https://www.gsclub.jp/tips/15540

木口マリ

「がんフォト*がんストーリー」代表
執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。2013年に子宮頸がんが発覚。一時は人工肛門に。現在は、医療系を中心とした取材のほか、ウェブ写真展「がんフォト*がんストーリー」を運営。ブログ「ハッピーな療養生活のススメ」を公開中。

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