2年前の仲冬の候
検査結果を聞く為に病院へ行くと
普段人が溢れかえっている待合室には誰一人患者さんがおらず不安が過った…。
診察室に入ると主治医から検査結果の話を伝えられた。
まさか自分が…、
私が癌に…?
気持ちは漠然とし途方に暮れ
自分の事なのに他人事のように話を聞いていた…。
癌という病気を受け入れるまで長い時間がかかった…。
闘病生活に向けて沢山の大きな決断を迫られ17年間連れ添った大切な家族(ペット)との別れは自身の病よりも辛く「癌」と言う病を心の底から憎んだ…。
家族(ペット)との別れで辛く寂しい日々が始まり治療の副作用も容赦なく私を襲い趣味のカメラも手にする機会が減って行き何度も何度も「もう死んでもいい…」とつぶやいた。
闘病生活を終え社会復帰出来た時は物凄く嬉しくて出社して、皆んなと顔を合わせ一つの空間で皆んなと仕事が出来る。
当たり前の事が物凄く嬉しかった。
仕事中友人がポケットからこっそりくれるお菓子に思わず涙が溢れそうになる時もあった。
幸せって心の持ちようでこんなに違うんだ。なんて事も恥ずかしながら癌になって気がつかされた。
治療と、心の苦しみを乗り越え少し成長できたのかな?そんな気持ちにもなれて闘病生活に入る前には憎んでいた癌だったけれど今となっては病気によって学ぶ事もあり以前より前向きな気持ちになったのではないだろうか…。
最近になり少しずつですが趣味の撮影意欲も湧いてきて絶景に出会ってきました。
毎日足を運んでも思うような写真を撮らせてくれない場所ですが
この日は雨上がりの後で朝陽が昇る数時間前の様子
街明かりにベールを被せたような素敵な光景を収める事ができ好きな事が出来る喜びの感覚も少しずつ取り戻せてきている今に命の有り難さを感じています。
また癌になる前の自分を取り戻す事ができたら。そんな思いで1 日、1 日を大切に過ごし自然の素晴らしい景色に出会え写真に収められる今に喜びと感動の気持ちが蘇り今生かされている今に感謝
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この各作品はリリー・オンコロジー・オン・キャンバスの作品・エッセイです。