リリー・オンコロジー・オン・キャンバス

寄り添いながら

著作者:竹田 耕隆 さん
出展:日本イーライリリー株式会社

寄り添いながら

平成23年2月に2度目の癌が見つかり、胃の全摘手術を受けました。
1度目の大腸癌を克服した時に、生きていた証に[形の有る物を残したい]と考えて、それまで楽しんでいたゴルフを止め、カメラを買いました。

本を頼りの、独学我流の写真撮影ですが、いつしか風景や自然への関心も高まり、写真友達もできて、今では良い趣味がもてて、本当に良かったと思っています。

応募した写真は、市民が“東洋一のハスの花だ”と自慢する、城址公園のハスを撮影したものです。無数にあった花の中で、寄り添いながら咲いていたこの2輪の花が、私にはまるで[夫婦のハス]に見えたのです。

私は現在73歳になり、5年間に2度の癌手術を経験。いまは内心、転移と再発が、最大の恐怖であります。そんな私に、残された時間が充分にあるとは思っていません。

そして共に歩いてくれ、苦労をかけた家内とは、あと2年で金婚式を迎える年代になりました。振り返ってみれば48年、わがままで頑固。文句だけは言うくせに、感謝の気持ちと、ほめ言葉が大変苦手な私に、よくぞ、ついてきてくれたものだと思っています。生来、シャイな私の性格が災いして、感謝の言葉やほめ言葉が、なかなか口に出せないのです。

でもあと2年。もし無事に金婚式が達成できたなら、2人でゆっくりと旅行をしたい。
そしてその時には、心をこめて感謝の言葉を言わなければ、と今から思っています。

また、今回のこの写真を額装し、部屋に飾ろうと考えています。

私ども2人もこのハスにあやかり“寄り添いながら”少しでも長く余生を楽しみたい。
みたび“癌です”などと、宣告される事が無いように祈りながら、清楚に暮らして行きたいと願うからです。

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この各作品はリリー・オンコロジー・オン・キャンバスの作品・エッセイです。

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